第13話 状況改善



 ある日、聖女候補の一人が、新聞をどこからか調達してきた。


 町ではある話が、話題になっているらしい。


 どこの記者が書いたのかわからないけれど、聖女候補や聖女の扱いについて真実の内容が書かれていた。


『人類の希望である聖女を、不当な扱いで苦しめて良いのか?』


 そう人々に問いかけた記事が出回っているらしい。


 今まで人々は、聖女の強く気高い部分しか見てきていない。

 聖女を管理している人達が、あえて隠していたからだ。


 聖女の威光は強い。

 聖女の手綱をうまく握る事で、権力を得るためにそうしていたのだろう。


 手紙の中で、そのことを話題に出したアスクはなぜか得意げだった。


『ざまぁみろだよな。わはははは』


 笑い声をそのまま文面に書くくらいだから、よほどだろう。


 疑惑に突き動かされた人々の働きかけによって、施設内の状況は大幅に改善した。


 聖女候補たちが、長時間部屋に軟禁されたり、親元から無理やり引き離されるようなことがなくなっていった。


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