「可愛そうな娘だよ。

　母一人子一人でね。

　今はまだ、花だけ売って暮らせてるみたいだけど、

　あの恰好だろ。

　自分を売るのも時間の問題かねぇ。

　援助？

　無理無理。

　そりゃね。たまのお裾分けぐらいならね。

　でも、うちも家族が食べていくのでカツカツなんだよ」

食堂に入った密偵による“花売り娘”の身辺調査。

★☆★

『第326話　ベランダ　-SIDE 花売り娘』の続き。

「王子～～～～～～っ！！」

別に王様の政治が悪いわけじゃないよ。

中世ちっくな王子様がいる世界の庶民の暮らしって、

こんなもんじゃないの？

食堂のおかみさん家族が、本当に生活カツカツってわけじゃないだろうし。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい