第307話 座布団の舞

三番勝負は一勝一敗で最後の取組を迎えた。

一力山いちりきざんは気合十分で臨むも、約一分の取り組みの末、上手投げを決められた。

行司の軍配が上がった瞬間、勝敗を見守っていた大山積神おおやまつみのかみを始めとする神々は、一力山と稲の精霊に向かって座布団を舞わせ、人間の健闘と精霊の勝利を慶んで寿いだ。

今年の秋も豊作だ。



★☆★


愛媛県・大山祇神社の御田植祭おたうえさい(旧暦5月5日)で行われる『一人角力ひとりずもう』。

現在使われている四股名は『一力山いちりきざん


季節外れだが、仕方ない。

抜穂祭ぬきほさい(旧暦9月9日)で書ければ良かったんだが、結が思いつかんかった。



大山祇神社…ここの持ってる甲冑はすごいよ。

伝源義経奉納の甲冑(赤糸威鎧あかいとおどしよろい)の真正面、向かい合う形で、

伝源頼朝奉納の甲冑(紫綾威鎧むらさきあやおどしよろい)が展示してあったよ。

これ、本人ら的にはいいの? ってマジ思ったよ。(←え、そっち?)



☆★☆


明日のお題は『罪悪感』

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