第258話 黄色 «玄宗皇帝»

熾火おきびの災禍より生じた玄宗の黄袍おうほうは土徳。


瑞獣ずいじゅう麒麟のたてがみを掴み、駆け抜けた“開元の治”。

揺蕩う水の如き人心の湧き上がる不満を堰き止め、

富める国家は黄金を産む。


磨かれた水の雫を糧に芽吹いた一本のやなぎ


冕冠べんかん枝垂しだれ、眼を塞ぐ。

老いた麒麟をこやしに幹太く育ち、

傾国へ供える尾状花序びじょうかじょの炎華を咲かす。



★☆★


黄色というと中国皇帝と麒麟。

って事で、玄宗皇帝と楊貴妃に五行を絡めてみました。


五行は、

*火生土(物が燃えれば灰が残り、灰は土に還る)

*土剋水(土は水を吸い取る)

*土生金(土を掘ることによってその金属を得る)

*金生水(金属の表面には凝結により水が生じる)

*水生木(木は水によって養われる)

*木剋土(養分を吸い取って土地を痩せさせる)

*木生火(木は燃えて火を生む)

の順番で使用しました。


熾火の災禍は、

*則天武后(←祖母)

*韋皇后&安楽公主(←粛清した功績で三男ながら皇太子となった)

を想定しています。



冕冠=中国の皇帝の被ってる冠。

尾状花序=ヤナギ科、カバノキ科の花の配列状態。

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