第227話 二十面相 ②

最初から企んでいたわけじゃないけど、

偽名を教えたのは予感があったのかもね。


『寂しい』と慟哭する裸体は慰撫を求め、

嘘で固めた生い立ちを語った僕に、

なけなしの金を貢いだ、

愚かで哀しい女達。


彼女達が探し求めるのは虚像の僕。

結婚詐欺師の人生を歩む本当の僕とすれ違っても、

誰一人気づかない。

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