第196話 消しゴム

何故か冷静に

(それならそうと早く言えよな)

と思った。


淡々と、

自信作のモノクロームの君をスケッチブックから引き破り、

幼気いたいけな笑顔に向かって

『カギのかけ忘れ注意』

と消しゴムで書き、グシャグシャに丸め潰してポイ捨てした。


準備室からは、

スカートの中に教授を咥えこんで悦ぶ声が漏れ続けている。



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