第156話 スフィンクス ★

和室に脚立を見つけて、それの上に座った彼は、

日本史図説に乗った写真をペラペラとめくっていた。


「バカと煙は高い所が好きじゃのお」

彼の姿を見た父親が、おちょくるようにそう言うと、

彼はおもむろに図説を閉じ、その裏表紙を見せた。


「父ちゃん。じゃあ、このスフィクスに登っとる侍もバカなんか?」

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