第118話 フライパン ★

気が付いた時には、そのフライパンがあった。

餃子も野菜炒めも焼肉も、そのフライパンでこさえられて食卓へのぼった。

縁は黒いが焼き面は銀色の、母の鉄のフライパン。


コーティングが剥がれてきたテフロン加工のフライパンに、ふと思う。

(このフライパンは何代目?)


母のフライパンは未だ現役である。

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