第109話 拡声器 ★
「清き一票を!」
私の声が拡声器を通して周辺を埋め尽くす。
私を雇う立候補者の選挙事務所は、複合商業施設と隣接している。
街宣車はその施設の中を通って事務所に戻る。
買い物に来て、駐車場に車を停めたお客様の声に
「ご声援、有難うございます」
と返す。
例えそれが、
「うるさいわ! ボケっ!」
でも。
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