第076話 天地無用

女は息をするように嘘を吐く。


「貴方が好き」と言った同じ口で「昔っから大嫌い」


女は天地無用。


些細な一言でひっくり返せば、ヒエラルキーの頂点にいた男は最底辺まで堕ちる。


女は自分を騙す。


最底辺の男を自分が好きだった過去があるわけがない。


女は自分の記憶を塗り替える。


女は真実しか言わない。



★☆★


脳科学的に女性は、自分の想い込んだ嘘の過去が、真実の過去になるんだそうな。

嘘発見器でも解らないとかなんとか。

と、TVで言ってた。


『天地無用』って字面だけ見ると、上下逆さにしてもOKって感じが半端ない。

そして、無駄にカッコいい。

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