第043話 地縛霊 ★

「あと1日、待っといてくれりゃあなぁ」

縁側に座るじいじは、湯呑を持ったまま空を見上げる。


臨終に間に合わなかった悔恨と自責と愛は、

ばあばを縛る縄をなう。


じいじは無自覚だけど、僕には見える。


もんぺ姿の綺麗なばあばは、じいじに寄り添い、頬を赤らめて、

天寿を全うするのを、じっと待ってる。



★☆★


地縛霊…じゃあ、ないか…。

でも、じいじっていう“場”に宿ってるんだから、地縛霊でいいのか?

う~ん。よくわからん。

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