第007話 お届け物 ① ≪和宮親子内親王≫ ★

あんな。

うちは、こんなんが欲しかったんとちゃうんえ。


うちは、これを着たうちに、公方くぼうはんが

「綺麗」

て、いうてくれるんがほしかったんよ。


あんたはんがおらんのに、なしてこんなもん着れるん?


あほやぁ。

のうなってもうたら、もう会えへんやん。

公方はんに会えへんなんて…うち、いややぁ。


あほぉ。



★☆★


似非京言葉で、すみません。

ん? 京言葉? 宮中言葉? 京言葉と宮中言葉は別物? あれ?


でも、『お届け物』っていったら、徳川家茂から皇女和宮に贈られた最後の贈り物。

『空蝉の 唐織り衣 なにかせん 綾も錦も 君ありてこそ ・ 皇女和宮』

を詠ませたこの場面しか、今は思い浮かばなかったよ。



家茂様は、我が女脳判定における、徳川15代将軍イチの御贔屓♡

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