薔薇の漢字で恋に落ちるなら…

紗里菜

クリスマスソングが聴こえる

 都内某所某大手企業では毎年クリスマスシーズンになると、お昼のチャイムがクリスマスソングになる。


 その理由としては誰も知るものはおらず、また某デパート調べの心理学情報によると、毎日のクリスマスソングはあれもしなくちゃ、これもしなくちゃとストレス過多になるという。


 現に、帰国子女として、海外交流部で働いている紺野真昼も、この時期は一番忙しい。


 しかも、同期の河村真が軽いだけで、真昼に「紺野さんの字がキレイ」だの紺野さんの英語はネィティブ」とか調子いいこと言ってあまり働くことをしない。


 さらに、真昼にとって意味不明なのは真の給料の半分以上は育った福祉支援へ寄付をして、お昼はいつもカップラーメンなこと。


 スーツもよれよれで、ネクタイに関しては、赤と緑のクリスマスカラーを年中使用してること。


 真昼にとっては鬱陶しい男なのだが、子供の頃に親戚の家にたらいまわしにされた経験から人の懐に入り、可愛がれている。


 しかも、真昼にとっては面白くないことが、他にもあるのである。





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