第10話 騒がしい日常



 攻略対象達はみんな優秀だった。


 頭が良いので、一部は生徒会入りしたくらいだ。


 ウルドとトールだっただろうか。

 覚えてない。


 だって最近、絡んでこないし。


 他の面々、アリシャとアリオはお助け部なんてものをやってるらしい。


 発案者はアリシャ。


 弟も入ったようだ。


 力の事は隠して接しているようだけど、裏では、その力を使ってこっそり皆を助けているらしい。


 たくましく成長した弟の姿に胸をなでおろしていたら、「面白いよ、姉さんも入らない?」と誘われた。


 弟がラスボス化しないように見張る必要があるので、ちょうど良かった。


 さっそくお邪魔させてもらった。


 そしたら「これが、ウルドとトールをなだめた調教師。あはははっ」とかアリオに笑われた。


 私の存在は校内で割と有名になっているので、噂を耳に入れたのだろう。


 やられた分はやり返す。

 なので、ちょっとした方法でシメといた。


 近くに灯油缶があってので、角で毛根を攻めた。


 そしたら、「禿げたらどうすんのっ」と言って、プルプル。


 涙目になったアリオがアリシャに縋り付いていたので、後は主人公のパワーで慰めてもらえるだろう。


 図らずも攻略対象と主人公を親密にしてしまった。


 そんな面々が動かす部活の活動は様々だ。


 困っている生徒の相談にのって、適切な対処をとる。


 備品の運び込みを手伝ったり、部活動レポートの記録を手伝ったり、個人的な事では告白のアドバイスなんてものもした。


 恋愛関係に口出しするとこじれるから、やめといた方が良いと思ったのだが、案外評判だったらしい。


 なぜか、恋愛相談ならあそこ。なんて噂が広まっていた。


 時折り視界の端で、悪役令嬢が周囲をちょろちょろ動いていたので、たまにクギをさしておいた。


 そしたら、顔をあわせたとたん脱兎のごとくにげられる。


 また、ウルドとトールに笑われた。


 秋イベントでは、運動会でペアを作る事になっている。だが弟はチョイスされなかったようだ。主人公はアリオ一択。ルートに入ってるかな。


 アリオがどや顔でウルドとトールに向けて「俺が声をかけてもらったんだもんね」と威張っていた。


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