ラプラス+ノベリスト

山岡咲美

第1話「絶体絶命」

帝都「やはりダメだッたか……」

 彼、仲川帝都の小さなアパートには靴を履いたまま上がり込んだ男達の集団があった、その引っ越し業者を装った男達は想定したなかで最悪の集団だった。


偽引っ越し業者「先生、ワタクシ共は先生の作品を小説サイトで拝見して以来注目しておりました」

 偽引っ越し業者の男達はアパートの出入り口に完全に立ちふさがっていた。


帝都「ありがとうございます、出来れば直接アパートには来ずメールなどいただければ良かったのですが……」

 仲川帝都に後悔はなかった、何故ならその小説は偶然の積み重ねではあったももの何度か人の命を救っていたからだった。


偽引っ越し業者「先生、我が国にお越し下さい決して悪いようにはいたしません」

 仲川帝都を取り囲んだ偽引っ越し業者の一人が優しい口調でそう言った、しかし土足でアパートに上がり込むような奴らだ信じて良い筈はなかった。


 その日をさかいに仲川帝都は姿を消した、その行方はようとして知れずだった。

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