『プロローグ』

「この世には奇怪なものが存在する」と昔から言われていた。それらの存在は『脳獣のうじゅう』と呼ばれ、人の意識を奪う脳獣もいた。そして、それらと戦う者達も同時に存在する。『脳戦士』と呼ばれる彼らは、殺人を犯した脳獣を、次々とほふっていった。そして、彼ら脳戦士をまとめる者がいる。その存在は『脳皇のうおう』と呼ばれ、姿を見た者はいないとされている。




脳内世界某所

「以上のことから、わたくしは『排除要員』にクサナギさんを推薦いたします」

「なるほど。彼が一番適任そうだし、彼でいいか?」

「おれは異議はないよ。でも、裁判長様は言いたいことがあるようだけど」

「わたしは、反対です。ですが、みなさんが折れるとは思えません。ですので、クサナギさんに最も近い存在であるアヤさんをクサナギさんの助手として、二人一組で行動すべきだと思います。その方が安全です」

「なるほど、新しい役職か…まぁいずれにせよ、クサナギは『脳内世界』に連れ戻さなきゃいけなそうだね。面倒くさいけど、行こうか、ミヅキ」

「うん、分かった」

 僕の知らないところで、こんな会話が繰り広げられていた。



『これは僕とおうとの物語、そして今と交わる物語。』

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