脳戦記

加藤那由多

Ⅰ 佐々木岳流の復讐編

『プロローグ』

「この世には奇怪なものが存在する」と昔から言われていた。妖怪、幽霊、お化け、ゴースト、怪談、迷信、心霊、怪奇。時代も場所も違えどずっと人類と共に歩んできたそれらは全て、非科学的でも非現実的でもない。それらの存在は『脳獣のうじゅう』と呼ばれ、化学的であり、現実的なものである。




「姉ちゃん?姉ちゃーん!」

 どれだけ叫んでも返事はない。ただ茫々ぼうぼうと燃える炎が丘に生えた草花を燃やす音だけが、僕の耳に響く。

 この日、全てが始まった日、僕は何も出来なかった。



『これは僕が記した物語、そしてこれからも続く物語。』

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