202012ジャパロボ 7

渋谷かな

第1話 ジャパロボ7

「鈴佐愛! ジャパロボ! 行きます!」

 愛はジャパロボに乗り込み皇居の混戦に参戦する。

「これは!?」

 皇居のお堀に警察と自衛隊のジャパロボの死骸が山のように積もっていた。

「そうか! ジャパロボは水に弱いからお堀に落とされたら電気系統がショートしてしまうんだわ!?」

 愛の理論は大正解。

「でも、テロリストのジャパロボはどこにいるの?」

 辺りにはジャパカイダのジャパロボの姿はなかった。

「ウワアアアアア!? なに!?」

 いきなり何かに足を掴まれて引っ張られる愛。

「河童!?」

 ジャパカイダの水陸両用のジャパロボだった。

「キャアアアアアアー!? 水に引き込まれる!?」

 もちろん愛のジャパロボも水には弱かった。

「ダメだ!? やられる!?」

 愛は諦めかけた。

(愛ちゃん。)

 その時、友達だった菜々子の声が聞こえてくる。

「愛ちゃん! そうだ! こいつらは菜々子ちゃんを殺した憎い敵だ! 私はテロリストを許さない!」

 愛は今でも戦死した菜々子のことを友達だと大切に思っていた。

「私が強ければ、菜々子ちゃんを一人で行かせずに済んだんだ! 私は強くならなければいけないんだ! ドリャアアアアアアアアー!」

 愛は河童ジャパロボの手を掴み、逆に敵を陸地に引き上げる。

「新型のジャパロボの性能をなめるなよ!」

 そして愛は電気が流れるようになった鉄の棒を取り出す。

「愛ちゃんの仇!」

 愛は河童ジャパロボの頭から鉄の棒を突き刺した。

「サンダー!」

 そして電気を流し込む。

 ジュウ・・・・・・。

 河童ジャパロボの内部の電気回路が焼き尽くされて動かなくなった。

「見てくれた。菜々子ちゃん。私も戦えるようになったんだよ。」

 友達の菜々子の冥福を祈る愛。

「待っていろ! テロリスト共! 私が蹂躙してやる!」

 愛は愛のままだが友達思いで少しだけ強くなっていた。


「あちゃ~、あの人はお堀に何体のジャパロボを隠していたんだよ?」

 菜々子が皇居の堀について見たものは、ジャパカイダの河童ジャパロボ100体以上が、警察と自衛隊の残りジャパロボ20体に飛び掛かり、お堀に引きずり込もうとしている所だった。

「テロリストが警察と自衛隊に勝っちゃった。これじゃあ、私の出番はないな。心配して損した。東京駅に帰ろう。」

 菜々子は自軍の優勢を確認するとローラ隊に戻ろうとした。

 シャキーン!

 その時、菜々子の精神にプレッシャーを何かが与える。

「なんだ!? この感覚は!?」

 菜々子は違和感を感じた方向を見てみる。

「あれは!? 私と同じ機体!?」

 菜々子の機体は東京オリンピックのパレード様に開発された稀少なハイグレードなジャパロボだった。自分と同じジャパロボに河童ジャパロボが4機も5機もしがみついてお堀に落とそうと引っ張っている。

 つづく。

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