089作目 【カクコン短編・参加作】「さよなら、僕らのロックスター」/仁志 水ぎわ

【カクコン短編・参加作】「さよなら、僕らのロックスター」

作者 仁志 水ぎわ


この恋、曇天

★★★ Excellent!!! 詩一


祥吾さんの恋は曇天でした。東京の、冬の空のように。


人の心臓を鷲掴みにする声を持つロックスターの旭さん。

彼は、祥吾さんの好きな人——由梨さんの愛を丸ごと持ってどっかに行ってしまった。

目の前から居なくなったのに、旭さんを思い続ける由梨さん。

嫉妬、憎悪、苛立ち。

旭さんはなにがどうなってもロックスターで、祥吾さんはどうあがいても裏方で。


スポットライトはずっとロックスターに当たっているのに、フォーカスは裏方に当たっている。

もしもこの曇天の恋を、朝日が照らすことがあったら、隠して逸らした本音の数々が透けて見えて一層冷えてしまうだろう。スポットライトよ、どうかこのまま裏方を照らさないでくれ。そのような願いが読後に過りました。


【作品URL】https://kakuyomu.jp/works/16816410413912602435


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る