39話:助手ヘルミーネ2回目

悠利「今日の解説はヘルミーネです」

ヘルミーネ「思ったより2回目が早かったんだけど」

悠利「だって今回どう考えてもヘルミーネじゃん」

ヘルミーネ「まぁ、そうだけど」

悠利「冒頭からヘルミーネなんだから、諦めて欲しい」

ヘルミーネ「解ったわよ。ちゃんとやるもん!」

悠利「よろしく~」



悠利「まずねぇ、お土産持って帰ってくるのは良いんだけど、ドヤ顔でお肉の塊渡されても困るんだよねぇ……」

ヘルミーネ「ちゃんと狩ってきたのに!」

悠利「言っておくけど、お肉の塊ドヤァってやるの、レレイの担当だよ」

ヘルミーネ「え、嘘!」

悠利「本当。クーレが説明担当だったりするよ」



悠利「まぁ、ご機嫌でわくわくしてるヘルミーネは可愛かったけど」

ヘルミーネ「私はいつだって可愛いわよ!」

悠利「そうだね。黙ってたらとっても可憐で可愛いよね」

ヘルミーネ「黙ってたらってどういうこと!?」

悠利「口を開くと結構騒々しいなぁっていう感想?」

ヘルミーネ「もー!」



悠利「空飛ぶ鶏って結構パワーワードだよね」

ヘルミーネ「ウイングコッコなんだから空飛んで当たり前じゃない」

悠利「自分も空を飛べる人はあっさりしてるなぁ……」

ヘルミーネ「羽根人が飛べるのは普通だもん」

悠利「僕らは飛べないから、どんな感じか気になるんだよねー」

ヘルミーネ「ふーん」



悠利「抱えて飛ぶとかは……」

ヘルミーネ「非力な私に出来るわけないでしょ!?持ち上がらないわよ!」

悠利「だよねぇ……。非力すぎて、お肉の解体も出来ないのがヘルミーネだもんね」

ヘルミーネ「この華奢な腕でどうしろっていうのよ……」

悠利「まぁ、向き不向きはあるもんね」



ヘルミーネ「出汁って言った瞬間にマグが出てきた……」

悠利「いつものことだよ」

ヘルミーネ「……いつものことなの?」

悠利「いつものことなんだよねぇ……。出汁に関してはマグ、地獄耳というか神出鬼没というか……」

ヘルミーネ「本当、何なのアイツ……」

悠利「……出汁の信者?」



ヘルミーネ「マグ、包丁2本持ってお肉をミンチにするの、手慣れてるわよね」

悠利「よくやるからねー。フードプロセッサーとかあると簡単なんだけど」

ヘルミーネ「ナニソレ」

悠利「入れた具材を粉々にしてくれる道具」

ヘルミーネ「物騒な響きなんだけど……」

悠利「あると本当に便利だよ?」



悠利「というか、ヘルミーネがご飯の用意を手伝うのって珍しいよね」

ヘルミーネ「ミンチにする作業って、何だか見てて楽しそうだったから」

悠利「まぁ、レレイは頑張った分だけ美味しいご飯になるって解ってたからだと思うよ」

ヘルミーネ「レレイはお肉大好きだもんね」

悠利「うん」



悠利「そして、一瞬で終わるお手伝い」

ヘルミーネ「だって、疲れちゃったんだもん」

悠利「非力なヘルミーネには期待してないけど、マグは、本当に……」

ヘルミーネ「でも、ウルグス凄く上手だったわよ」

悠利「それはそうなんだけど、食事当番じゃない日だったんだよ……」

ヘルミーネ「マグだし」



ヘルミーネ「でも、あそこでウルグスを連れてくる辺りがマグよね」

悠利「適材適所を理解していると言うべきか、こき使っても大丈夫だと判断していると言うべきか……」

ヘルミーネ「絶対に後者だと思うけど」

悠利「……あの二人、仲良しだよね」

ヘルミーネ「マグが懐いてるの間違いじゃない?」



ヘルミーネ「お味噌入れるのって不思議よね」

悠利「味噌を入れると味に深みが出る感じがするんだよねー。使う味噌にもよるんだろうけど」

ヘルミーネ「待って、お味噌って種類あるの?」

悠利「あるよ。白味噌とか赤味噌とか合わせ味噌とか麦味噌とか米味噌とか八丁味噌とか」

ヘルミーネ「もう良い」



悠利「お揚げに入れてお出汁で煮込むと、優しい味に仕上がって美味しいんだよねー。食感も楽しいし」

ヘルミーネ「マグが反応してるの面白い」

悠利「いつものことです」

ヘルミーネ「……だから見ないでも解るんだ……」

悠利「いつものことだからねぇ……」

ヘルミーネ「本当に出汁、好きよね」



悠利「特に昆布出汁が好きなんだよねー。海鮮系の出汁が好きなのかな?」

ヘルミーネ「鰹節も好きなの?」

悠利「昆布、鰹節、その他の出汁って感じかなぁ……?まぁ、昆布出汁が一番食いつきが良いんだけど」

ヘルミーネ「うっすら入ってても気付くのよね……。チョット怖い……」

悠利「しっ」



ヘルミーネ「味見美味しかった!」

悠利「手伝ってくれた人には味見して貰うようにしてるんだよね~」

ヘルミーネ「……味見があるなら、お手伝いも……」

悠利「食事当番は見習い組のお仕事なので、取らないでください」

ヘルミーネ「取ってないもん!」

悠利「ヘルミーネは鍛錬があるでしょ」



悠利「そして、油断するとマグが暴走する……」

ヘルミーネ「アレって、気に入ったってことなの……?」

悠利「美味しかったんだと思う……。ウルグスがいてくれて良かった……」

ヘルミーネ「出汁が絡んだときのマグ、変な力出てるわよね」

悠利「僕じゃ引き剥がせないからねぇ……」



ヘルミーネ「ウルグスに説得されてるマグが面白かった」

悠利「アレは、レレイを説得してるクーレみたいだなって思った」

ヘルミーネ「確かに……」

悠利「ちゃんと食べたいなら大人しくしなさいって感じのやつ」

ヘルミーネ「変なところが似ちゃってるやつだ……」

悠利「似なくて良いのに……」



悠利「ナムルはお手軽に美味しいから良いよね」

ヘルミーネ「割と色んな食材でやってるわよね?」

悠利「美味しければ何でも良いかなって」

ヘルミーネ「ユーリ、そういうところ結構テキトーよね」

悠利「だって僕、別にお料理のプロじゃないもん。美味しければ良いでしょ?」

ヘルミーネ「確かに」



ヘルミーネ「味見して良いよって言われた瞬間のマグ、超早かった」

悠利「マグだからねぇ……」

ヘルミーネ「凄い反応速度よね」

悠利「スイーツに対するヘルミーネとブルックさんもあんな感じだけど」

ヘルミーネ「え?」

悠利「よく似た速度でやってくるよ」

ヘルミーネ「そ、そう……?」



悠利「でも、あんな風に美味しそうに食べてくれると、こっちも嬉しくなるんだよね」

ヘルミーネ「ユーリ、いつもそんな感じじゃない」

悠利「だって、喜んでもらえると嬉しいじゃん」

ヘルミーネ「そうね」

悠利「これからも頑張ってご飯作るね!」

ヘルミーネ「美味しいご飯、期待してるわ!」



悠利「と、いうわけで今回はこんな感じでおしまいです。ありがとうございました」

ヘルミーネ「ありがとうございましたー!」

悠利「また何かあったら呼ぶね」

ヘルミーネ「面倒くさいからスイーツ回以外呼ばなくて良いわよ」

悠利「そっちから指定してくるの初めてなんだけど!?」



ヘルミーネ「だって、スイーツと言えば私かブルックさんでしょ?」

悠利「否定は出来ない」

ヘルミーネ「だから、スイーツ回は呼んでも許す」

悠利「はぁい」

ヘルミーネ「それでは、ありがとうございました!」

悠利「また次回で~」


(終)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る