34話:助手アロール2回目

悠利「今回はアロール2回目です」

アロール「何で僕を呼んだ」

悠利「ルーちゃんと若様関係なんだから、担当者はアロールだよね?」

アロール「いつ僕がそこの担当者になったんだよ!」

悠利「え?アロール以外に担当者いないって皆言ってたよ」

アロール「カミールは!?」

悠利「任せたって」



悠利「いつも可愛いルーちゃんに元気がないので、僕はとても心配です」

アロール「まぁ確かに、基本的に能天気にキュピキュピ鳴いてるからね、あいつ」

悠利「能天気って……」

アロール「君の側にいられて、掃除が出来るだけでご機嫌なんだよ、君の従魔」

悠利「ルーちゃん良い子だよね!」



悠利「困ったときに頼るべきはアロールだよね」

アロール「僕は何でも屋じゃない」

悠利「でも、ルーちゃん関係で困ったときはアロールが最適だもん。僕は言葉解らないし」

アロール「……まぁ、それは、そうだけど」

悠利「微妙な顔してる」

アロール「君に関わるとロクなことにならないから」



アロール「っていうか、僕に言われるまであの子のことを忘れてるってどうなのさ」

悠利「忘れてたわけじゃないんだけどー、ルーちゃんがそこまで気にしてると思わなかったんだもんー」

アロール「物凄く気に入ってじゃないか」

悠利「それはそうなんだけど。そこまでとは思わなくて……」



アロール「僕としては、明らかに厄介そうな子猫を拾ってきた方がツッコミ満載だけどね」

悠利「連れてきたのはルーちゃんだし、最初は普通の猫だと思ってたんだもん」

アロール「服着てるじゃん」

悠利「二足歩行する猫だと思わなかったんだもん……。僕の故郷では猫にも服着せるし」

アロール「え?」



悠利「でも、アロールがいてくれて助かったよね。僕達だけじゃ、ルーちゃんが何を言いたいのかも解らなかったし」

アロール「だから、僕を便利道具扱いするな」

悠利「だって、アロールの異言語理解みたいな技能、僕らは持ってないんだもん」

アロール「魔物使いには必須の技能なだけだよ」



悠利「それにしても、猫まんまをあんなに喜んで食べるとは思わなかったよね……。鰹節混ぜただけのご飯なのに……」

アロール「お腹減ってたんじゃない?」

悠利「だからって、あそこまで大喜びして食べる何かじゃないと思う」

アロール「まぁ、気に入ってるみたいだから良いんじゃない?」



悠利「ワーキャットってだけでも珍しいのに、何でロイヤルなんだろう、あの子……」

アロール「君は本当に、変なものを引き寄せるよね」

悠利「僕なの!?拾ってきたのはルーちゃんだよ!?」

アロール「そのルークスを拾ってきたのは君だよね?」

悠利「うぐ……っ」

アロール「やっぱり君だと思う」



悠利「迷子はお家に帰してあげなきゃダメだし、それをルーちゃんが解ってくれて良かった」

アロール「あのまま住まわせるつもりだったっぽいのが怖い」

悠利「何であんなに気に入ってたんだろう……?」

アロール「そんなの僕に解るわけないだろ。餌付けしたからじゃない?」

悠利「してないよ!?」



悠利「そういえば、お付きのお二人、姿が違ったよね?何で?」

アロール「擬態でしょ。ワーキャットは目立つから、獣人に擬態してたんじゃない?」

悠利「そんなこと出来るの!?」

アロール「イレイスも擬態してるじゃないか。まぁ、誰でも出来るわけじゃないと思うけど」

悠利「なるほど……」



悠利「お友達になるつもりだったから、会えなくなって寂しくなってるのかなぁ……」

アロール「多分そうなんじゃない?」

悠利「……アロール、段々面倒くさくなってない?」

アロール「今さら気付いたの?僕、基本的に君に関わるの面倒くさいと思ってるけど」

悠利「ひどくない!?」



アロール「というか、君の得意なのは料理なんだから、料理で頑張るしかないでしょ」

悠利「ルーちゃんの大好きな野菜炒めをいっぱい作るよ!」

アロール「そもそも、スライムが野菜炒めを好きかどうかは知らないけど」

悠利「ルーちゃんは好きなんだよねぇ。何でだろう」

アロール「知らないよ」



悠利「ここの、扉の所からちらりって覗いてるルーちゃん、物凄く可愛くない?」

アロール「可愛い」

悠利「だよね!すっごく可愛いよね!」

アロール「自分は入っちゃダメかもと様子を窺うだけなのが本当に可愛い」

悠利「そうそう!」

ナージャ「……シャー」

アロール「う、煩いな……」



悠利「え?ナージャさん、何って?」

アロール「…………って」

悠利「え?」

アロール「…………少しは落ち着けって、言われた」

悠利「……えー。だって、ルーちゃんが可愛いのは事実ですよ、ナージャさん」

ナージャ「シャー」

アロール「さっさと進めろ、だって」

悠利「ふぁい」



悠利「全部食べて良いって言われて喜ぶルーちゃん、可愛いよね」

アロール「解る。凄く可愛い」

悠利「ルーちゃんは素直で可愛いんだよねー」

アロール「純粋というか、反応が本当に可愛いよな」

悠利「だよね、だよね!」

ナージャ「シャー」

アロール「……解ったから、煩い……」



悠利「ルーちゃんも可愛いけど、美味しそうに食べてくれる皆も良いよね」

アロール「レレイさんは反応が解りやすい」

悠利「レレイ、お肉大好きだけど、割と何でも美味しいって食べるから」

アロール「バカみたいな大食いだけどね」

悠利「それで太らないから不思議だよねー」

アロール「確かに」



悠利「ルーちゃんが元気になって本当に良かった」

アロール「まぁ、数日もすれば元気になってたとは思うけど」

悠利「元気になってお掃除張り切ってるルーちゃん、可愛いよね」

アロール「普段から部屋の片付けしておけば、何も心配にならないけどね」

悠利「アロールの部屋、綺麗だもんね」



悠利「最後のコマのルーちゃん、可愛くない?」

アロール「可愛い」

悠利「だよね!ご機嫌で野菜炒め食べてるルーちゃん、本当に可愛い!」

アロール「感情が素直に出てるから、可愛いんだよねぇ」

ナージャ「シャー」

アロール「煩いな。ナージャは可愛くないだろ」

悠利「ナージャさんは綺麗だよね」



アロール「まぁ、とりあえず今回はこんな感じで良いんだよね。終わり、終わり」

悠利「超投げやりなんだけど」

アロール「そもそも、何で僕だけ2回目」

悠利「他の人も多分ぼちぼち2回目に入るよ」

アロール「マジか」

悠利「マジです」

アロール「皆の健闘を祈っておく」

悠利「何で!?」



アロール「それじゃ、僕はこれで失礼するよ。もうしばらく呼ばないでほしい」

悠利「ルーちゃん関係で困ったら、きっとアロールの出番だけど」

アロール「他に担当者見つけて!」

悠利「多分無理ですー」

アロール「おのれ……」

悠利「それでは、またー!」


(終)

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