26話:助手レオポルド

悠利「今回の助手はレオーネさんです!」

レオーネ「はぁい。よろしくねぇ~」

悠利「よろしくお願いします。レオーネさんが来てくれるなんて思ってなかったので嬉しいです」

レオーネ「毎回毎回ユーリちゃんらしいって聞いてるわ~」

悠利「?」

レオーネ「ブライトは逃げたのよねぇ」

悠利「!?」



悠利「に、逃げた?逃げたってどういうことですか、レオーネさん!」

レオーネ「そのままの意味よ?ユーリちゃんの天然ぽやぽやに付き合うと疲れるからお前に任せるって」

悠利「僕の扱い!」

レオーネ「前からそうじゃないの~」

悠利「レオーネさぁん……」

レオーネ「でしょ?」

悠利「……はい」



レオーネ「さくさくやっちゃいましょうね」

悠利「はーい」

レオーネ「突然スライムを持ったユーリちゃんが出てきたら、反応に困ると思うのよねぇ」

悠利「アップのルーちゃん可愛いですよね~」

レオーネ「確かに可愛いけど、貴方それ、親バカ入ってないかしら?」

悠利「よく言われます~」



悠利「レオーネさん、まるで我が家みたいに馴染んでますよね」

レオーネ「顔馴染みの工房だもの。しょっちゅう出入りしてたら馴染むわよ」

悠利「ブライトさんとレオーネさんって仲良しですよね」

レオーネ「ビジネスパートナーって感じよ。良いアクセサリーを作るのよね~」



悠利「ブライトさんも、レオーネさん相手に何も気にしてませんね」

レオーネ「あいつは割りと最初からあたくしに普通に接してたわよぉ。重要なのは仕事だって」

悠利「職人の鏡ですね」

レオーネ「えぇ、職人だわ」

悠利「レオーネさんも職人だから、そこで気が合うんですか?」

レオーネ「多分ね」



悠利「僕のものまねだー」

レオーネ「あたくしとしたことが、取り乱してしまったわ。でもだって、ユーリちゃんがあまりにもあんまりなことを言うから……」

悠利「え?そうですか?」

レオーネ「えぇ、そうよ。少なくとも、従魔を着飾りたいと思う人はいないわ。ペットじゃないんだから」

悠利「?」



レオーネ「でも、ユーリちゃんが可愛いから許しちゃうのよねぇ」

悠利「はい?」

レオーネ「あいつもそういう感じなのかしら。お説教はしてるみたいだけど」

悠利「アリーさん、怒ると拳骨とかアイアンクローとかしてきますけど」

レオーネ「本気で殴ったら頭割れるわよ」

悠利「それは嫌です」



レオーネ「それにしても、ユーリちゃんの文房具って不思議ね。とても質が良いみたいだし」

悠利「故郷の物なんです~」

レオーネ「相変わらず何でもありねぇ、貴方の故郷」

悠利「そうですか?」

レオーネ「えぇ、なんかこう、色々と。流石、ユーリちゃんを育てた国だわ」

悠利「へ?」



レオーネ「二人揃ってお辞儀をしているところ、本当に可愛いわぁ」

悠利「ルーちゃん可愛いですよね!」

レオーネ「貴方もね」

悠利「そうですか?」

レオーネ「何というかこう、ぽやぽやした感じが可愛いのよねぇ」

悠利「……(これは褒められてるのだろうか)」

レオーネ「褒めてるわよ」



レオーネ「ルークスちゃんって物怖じしないわよねぇ。見知らぬ相手でも愛想が良いというか」

悠利「アロールが言うには、基本的に人間に対して友好的みたいです」

レオーネ「スライムってそうだったかしら?」

悠利「スライムがというより、ルーちゃんがってことらしいです」

レオーネ「納得したわ」



悠利「王冠を気に入ってるルーちゃん、本当に可愛いなぁ」

レオーネ「可愛いのもそうだけれど、この子本当に賢いわよねぇ。こちらの言ってることをちゃんと理解しているもの」

悠利「ルーちゃんですからね!」

レオーネ「ユーリちゃん、やっぱり貴方、親バカ入ってるわよ?」

悠利「?」



悠利「気に入ったあまり、そのまま逃げ出しちゃうのも可愛いですよね!」

レオーネ「そこはちゃんと捕まえないとダメでしょ。試作品なんだから」

悠利「ルーちゃんが喜んでたから、つい」

レオーネ「まぁ、喜んでもらえたのは良かったと思うわ。スライムにも好みってあるのねぇ」



悠利「完成品を貰ってルーちゃんはとってもご機嫌だったんですよ」

レオーネ「そのようねぇ。ここまで喜んでもらえると、職人冥利に尽きるってものよ。ブライトも喜んでると思うわ」

悠利「スライムでもお洒落は出来ますからね!うちのルーちゃんは可愛い!」

レオーネ「やっぱり親バカじゃないの」



レオーネ「前々からきになってたんだけれど、このナレーション、ツッコミ芸が多彩過ぎない?」

悠利「え?そうですか?いつもこんな感じですよ?」

レオーネ「何なの?何か中の人でもいるの、これ?」

悠利「やだなぁ、レオーネさん。中の人じゃなくて原作の地の文さんですよ」

レオーネ「えぇ……」



レオーネ「貴方、流れるように鑑定を使うのねぇ」

悠利「僕の技能なので」

レオーネ「日々の使い方が間違ってるってアリーが愚痴ってたわよ」

悠利「え?いつですか?」

レオーネ「ブルックと三人で飲みに行ったときよ。貴方、本当にマイペースなのねぇ」

悠利「普通にしてるつもりなのになぁ……」



レオーネ「確かに、こんなゴミの山に指輪が紛れ込んじゃったら、探すの大変だわぁ……」

悠利「僕も大変なことになったなと思ってたんですよ」

レオーネ「これ、ルークスちゃんは自発的に動いたのよね?」

悠利「そうなんです。自分で考えて判断してくれて、ルーちゃんはやっぱり賢いです!」



悠利「ずももってなってるルーちゃん可愛いです」

レオーネ「可愛い?」

悠利「すぐに分解しちゃうからいっぱい大丈夫です!」

レオーネ「それは凄いんだけれど、貴方が言うと違うことを想定している気がするわ」

悠利「生ゴミ処理してくれます!」

レオーネ「そういうところよ、ユーリちゃん!」



レオーネ「言っておくけれど、普通のスライムは嬉々として生ゴミ処理なんてしないのよ?」

悠利「え!?そうなんですか!?ルーちゃん、お掃除も生ゴミ処理も、ご機嫌でやってくれるんですよ?てっきり、お掃除が好きなんだと思ってたのに……」

レオーネ「主人に似てるだけじゃないかしら……」



悠利「けぷってなってるルーちゃん、可愛いですよね?」

レオーネ「えぇそうね。可愛いわね。やったことを考えなければ」

悠利「ちゃんと指輪も見つけて、ゴミは取り除いてくれてるんですよ!賢いですよね!」

レオーネ「えぇ、賢すぎて驚きよね。あの子本当に下級から中級なの……?」



悠利「ルーちゃんは賢いだけじゃなくて、お手伝いを嫌がりもしないんですよ。優しくて可愛くて賢くて最強なんです!」

レオーネ「はいはい、落ち着いて頂戴。どう考えても親バカよ、ユーリちゃん」

悠利「だって、全部事実ですよ?」

レオーネ「まぁ、否定は出来ないのよねぇ……。凄すぎて」



悠利「そんなわけで、今回はルーちゃんの可愛さと凄さが満載でした!」

レオーネ「ユーリちゃんの親バカもね」

悠利「全部本当のことですよ?」

レオーネ「貴方がルークスちゃんを可愛がっているのはよぉく解ったわ」

悠利「何かダメでした?」

レオーネ「いいえ。妙なコンビが爆誕したなってだけよ」



悠利「それではレオーネさん、今回は本当にありがとうございました」

レオーネ「いいえ。あんまり何もしてない気がするけれど」

悠利「こうやってお話してくれただけで楽しくて嬉しいですよ?」

レオーネ「貴方、本当に素直で可愛いのよねぇ……」

悠利「?」



レオーネ「それじゃ、あたくしのお役目はこれでおしまいね。次はまた別の誰かと一緒なんでしょう?」

悠利「はい。誰が来てくれるのか楽しみです」

レオーネ「多分、アリーはもう二度と来ないわよ」

悠利「えぇえええ……」

レオーネ「死ぬほど面倒くさがってたから」

悠利「アリーさん、ひどい……」



レオーネ「まぁ、機会があったらまた呼んで頂戴。楽しかったわ」

悠利「はい、ありがとうございました!」

レオーネ「穏便なお話のときにして頂戴ね?」

悠利「僕はいつも穏便なつもりですけど」

レオーネ「騒動は起こしてるじゃないの」

悠利「うぐ……」

レオーネ「ありがとうございました」


(終)

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