タイムリープしたから当時好きだった先生といちゃいちゃしたい。
白玉ぜんざい
第1話 間宮陽介のタイムリープ【序】
間宮陽介、二四歳、高校二年。
そんな言い方をすると、お前どんだけアホやねん、なんていう関西風のツッコミを入れられること必至だろう。
だが。
俺は留年はしていないし、ましてや浪人経験があるわけでもない。
だったら何故か。
ここでクエスチョンだ。
俺、間宮陽介高校二年生はどうして二四歳なのでしょうか。
正解、タイムリープなるものを果たしたから。
んなもん分かるわけねえだろって?
固いこと言うなよ、たかがクイズじゃないか。
そんなことでイチイチ腹を立てていたら社会に出たら精神が保たないぞ。そんな理不尽や不条理なんてごまんと転がっているのだから。
「よし」
そんなわけで、いろいろあった俺はつまり高校二年生からやり直すことができるのだ。
過去は変えられない、でも未来は変えられる。その言葉が正しいのか否かはこれから分かることだろう。
俺は今、校内でも絶好のお昼寝スポットである図書室に来ていた。
お昼寝をするために来たのではない、ある人物に会うためにここに来た。
「あ、間宮くん。どうしたの? もしかしなくても読書かな? 読書だよね、読書なんでしょ?」
図書室に入った俺の顔を見て、ニパッと表情を明るくした彼女の名前は結城恭子。
我が二年三組の担任教師である。
教師故に目立ったおしゃれは出来ない中で、せめてもと思い僅かに茶色に染めた長髪。
俺を捉える瞳はくりっと大きく、すっとした小さな鼻も、柔らかそうなさくら色の唇も、全てが男子を誘惑するために生成されている。
「わたしのオススメはね、これ! 読んだことある?」
「俺まだ読書しに来たとは言ってないんですけど」
じゃじゃーん、と小説を両手で持って前に突き出す。
すると同時に主張されるのが大きな胸である。腕を上げた結果、寄せられた胸はまるでゴムボールのように形を歪ませる。
それだけ大きな胸を持っていながら、ウエストは引き締まり、ヒップは丸く、女性としての魅力は申し分ない。
とにかく可愛い。
全男子生徒、そして男性教諭の共通認識である。可愛いは正義、つまるところ結城恭子は正義。
「ええ、じゃあ何しに来たの? 本を読む以外に図書室に来る用事なんてあるかな?」
んんー、と口元を人差し指で押さえながら先生は唸る。
「先生に会いに来たんですよ」
そんな先生に俺は端的に言った。
「え、なんて?」
聞こえただろうに、まさかそんなわけないだろうと思っているのだろう。表情は変えないままそんな感じで聞き返してきたので、
「先生に会いに来ました」
もっかい言う。
「ええっ!?」
先生は至極驚いたリアクションの後に、顔を真っ赤に染めた。
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