第3話 天国というヤツは…
とある元「天人(てんにん)」の話を拝借しよう。今は地獄でぬくぬくやっているそいつは、生前は小さな親切から大きな親切まで、それはもうヤンマーディーゼルのごとく親切を繰り返していたらしい。
そうなってくると当然天国行きが決まるわけだけど、そいついわく「天国は綺麗すぎる」らしい。
どういうことかというと、天国という場所が汚れひとつないだけならまだしも、そこに住む天人までもが心配になってくるほどピュアだという。
何かを言うたびに「俺がこういうことを言ったら、この人の純粋さが壊れるんじゃないか」と、気を遣ってしまうらしい。
なんでも天国というのはおとぎ話のような場所で、雲に寝転がったり草原で歌を歌ったりしていると自然と一日が過ぎてしまうらしく、その環境に嫌気が差した天人がこぞって地獄への転居を要請するらしい。
そいつが言うには、「あの環境でピュアでい続けられるのは、本当に綺麗な心を持った人か、危ない宗教にハマってる人だけ」らしい。
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