第5話

 そんなある日の朝。

「みんな、おっはよー!」

 美希はいつものように挨拶をした。

 しかし、皆の様子はいつもと違っていた。皆、美希から目を逸らし誰も挨拶をしない。

「あれ。みんな、どうしたの? おはよう!」

 しかし、やはり、誰も反応しない。

(みんな、どうしたんだろう?)

 美希は首を傾げた。


 次の日も……そして、その次の日もそうだった。美希はまるで、その教室にはいないかのように。クラスメイトから無視された。


 その原因は美希が一学期の中間考査でクラス女子の中で一位を取ったこと。そして、そのことが、クラスの中心核の女子の逆鱗に触れたためだと隼人と美希が知るのに、さほど時間はかからなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る