3章 桜と西行の奇跡(ファンタジー) 第1話 説明

 ねかはくは花のしたにて春しなん そのきさらきのもちつきのころ (山家集)


 西行が残した有名な短歌で意味は下記の通りになる。

    

「願うことには、桜の花が咲いているもとで春に死にたいものだ。

     それも、(釈迦が入滅したとされている)陰暦の二月十五日の満月の頃に」


 それがどうしたと思う読者諸君もいると思うので、説明すると、文学少女だった紗南のお母さんと紗南は夢の中で逢おうとしたのだ。


簡潔に書くと満月の日に、夢の中で故人と再会できる都市伝説があるのだ。


亡くなった人と再会するためには下記の3つの方法が必要である。


 ①満月の3日前ぐらいから、集中的に再会したい人の事を思い出す。


 ②写真を眺めたり、相手に聞きたい事を頭の中で何度も繰り返す


 ③誰もいない場所で、満月の日に夢の中で出てきてほしいとお願いする


紗南は付属のA大学の志望学科に合格した年の陰暦にこの都市伝説を実践した。


そして、俺たちには奇跡がおこった。

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