第3話 繋がり
その死刑囚は、冷たい銀のフォークの眼差しで、裁判官の胸を突き刺した。
「あんたに、何が分かる!」
独り、死刑を宣告された現実を噛みしめる死刑囚。
薄暗い、四方を詰めたいコンクリートで閉ざされた部屋。
俗界に繋がる、唯一の楽しみの窓は、頭上高くとなっている。
太陽が覗き込む少しの時間と、空の一部のみを見ると言う哀しみ。
いやいや今の死刑囚にはそのことよりも、その窓があるということが、忌々しい。
その窓が、死刑囚の俗界に対する未練心を、郷愁を掻き立てさせることが腹立たしい。
もし…窓が塞がれたら…やはり腹立たしい。
青空…雲…流れる…流浪…涯て…老い…死
思い浮かぶ言葉が、死刑囚の意図することなく繋がりを求めていく。
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