第22話 顔

受付の女性もうんざり顔だが、私だってうんざりだ。

どう説明しても理解してくれない。

私に多少の非があることは分かる。

うかつだった、確かに。

お互い名前を呼び合う仲だったので、苗字を聞いていなかった。

「ご実家の電話番号を…」

と言われても、いつも minako から連絡が来ていたから…。


「何科勤務なのか、分かりますか? 

それと以前の勤め先病院名は、分かりますか?」

立て続けに質問される。

それも意地悪な質問ばかりだ。

私の知らないことばかりを問い詰める。

どんな顔立ちかどんな性格か、そういったことは聞いてくれない。


「23歳で、お姉さんで、看護婦さんで、くりくり目で、少し団子っ鼻で、おちょぼ口です。

そうだ! アイドルのK、知ってますよね。

あの娘に似てるんです。

可愛いですよね、Kちゃん」


「それではちょっと…。待ってくださいね」

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