第4話 顔

それにしても、マスコミという化け物の餌食となった若者も哀れだ。

錬達なカメラワークの中で、若者は次第に色を失っていく。


とどのつまりが「あんた達に何が分かる!」と怒鳴り散らして、スタジオを後にした。


コメンテーター達の勝ち誇った顔がアップとなるに至って、私を嫌悪感が襲い、反吐が出そうになった。


「あのヒッピーもどきが、つまり君だ。

コメンテーター=マスコミさ、マスコミの意のままに踊らされているんだ。

ヒッピーがそのことに気付いて逃げ出したのか、ただ単に頭に来て飛び出したのか。

どっちかな? 気付いていないとしたら、これ程バカな男もいない。

気付いてのことなら……いや、テレビに出た段階で、若者はヒッピー失格さ」

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