「この夏の、延長線上で」作者:矢向 亜紀 様
こんばんは。
21作目の感想は、矢向 亜紀 様の「この夏の、延長線上で」https://kakuyomu.jp/works/1177354054921193056
についてです。
今年のコロナ禍における夏の物語。
息をしていない夏、息苦しい、灼熱の中で出会う不思議な体験。
とても面白かったです。
もっと大まかな感想を書こうと思ったのですがネタバレしそうになるので、ネタバレ感想に突入します。
未読の方はご注意ください。
☆
灼熱の中、墓参りにくる主人公の澪。今年のうだるような夏、それが見事に描写されていました。そしてマスク。
コロナ禍を象徴するマスク。本当暑い中、つけると息苦しさがアップしますよね。その感じも直に伝わってきました。
そんな中突然現れた少年、影がなく、その名前も。
澪はすんなりとその少年を受け入れ、家に連れてかえる。
少年の柔らかなそうなほっぺなど、本当に描写がうまい。
修飾語をたくさんつけて飾っている感じではなく、本当に心にすとんと落ちる描写です。
矢向様の作品は6回の企画を通して多分、これで4作目を読むことになると思うのですが、本当好きですね。
(活動の中心が別のサイトのため、カクヨムの作品は企画のもの以外はほとんど読んでいないのです)
澪は多分、少年がお父さんだと信じているのだけど、お母さんが最初はやっぱり信じなくて。
でも彼の行動や、お父さんがお母さんに残していった言葉などで、徐々に少年がお父さんだと信じていく。その過程がまたいいですね。
本当、お父さん、物凄いイケメンだと思いました。渋い顔だったらしいですが。
3人でご飯食べたり、泳いだり、その場面場面でふと漏らす登場人物の言葉に胸が打たれますね。
最後に向けて夢中で読み続け、ああ、もう終わりなんだ。
と泣きたくなりました。
家族の絆に切なくなりながらも、生きていかないとなあと前向きになれる作品です。
今回も楽しませていただきました。
企画にご参加いただきありがとうございました。
22作目の感想は、河原オリオン様の「白銀のセシル」になります。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054880487429
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