銃撃に倒れた父の遺言

何者かの撃った一発の兇弾が、父の胸を貫いた。

私の腕の中で父は吐血しながら、息も絶え絶えに語り出す。

どうやら私は実の息子ではないらしい。

「なんだって!」

だが、本当の息子だと思って育てたと父は涙する。

母が事故で死んだというのは嘘だ。

「そんな!」

母は他の男と駆け落ちたのだ。

その男というのが、私の通っていた学校の教師らしい。

「なんだと!」

父を撃ったのは、その教師と母の間に生まれた子供だ。

「そんな!」

だが父は復讐をしてはならないという。

お前の異父兄弟なのだからと。

「わかったよ……」

それからも父の話は一時間以上続いた。父はかつて犯罪に手を染めていたことがあること。今は手を洗ったが、莫大な隠し財産があること。その隠し場所と秘密の暗号。今まで黙っていたことを父は詫びた。

「あ、そうそう、お前の本当の父親の話もしておかないとな……」

「まだあるのかよ!」

父の話は終わらない……

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