止まない雨と見えない愛

NOTTI

第1話:複雑な兄弟の関係

2020年6月。毎日雨が降り続き、自分の気分もあがらない。そんなときに菜芽(なつめ)は気がついたことがあったのだ。「気持ちが落ち着かないからお兄ちゃんに連絡しよう」と。実はお兄ちゃんというのは実の兄ではない。腹違いの21歳離れた兄だ。彼女が生まれたときには両親は交際中で、子供がお互いに3人ずついた。兄と呼んでいるのは真ん中のお兄ちゃんで上のお兄ちゃんは当時すでに社会人になっていた。父の連れ子はみんな男の子、母の連れ子はみんな女の子だったためバランスが良かったのだろう。ただ、一番上から一番下までは15歳の年の差があったため、一番上のお兄ちゃんは24歳、一番下のお姉ちゃんはまだ9歳になったばかりだった。その上、父と母は年の差はほぼ変わらないが、初婚は父の方が早かったという。


 しかし、私が生まれてから一家の家庭環境が一変する。特に兄弟関係が悪化の一途を辿っていた。兄弟構成が一番上の兄は24歳、2番目の兄が21歳、一番上の姉が18歳、3番目の兄が16歳、2番目の姉が14歳、3番目の姉が9歳、私が0歳だった。一般的な兄弟なら問題にならない事があった。それは、お互いのことを考えて生活するということだ。我が家の場合、兄3人は今まで女の兄弟と生活をしたことがなく、やって良いことと悪いことが分かっていないことが多く、姉3人も男の兄弟がいなかったこともあるのか、こちらもやって良いことと悪いことが分からないという状態になり、お互いの関係をうまく構築することが出来なかった。そのため、子供たちはそれぞれ同じ敷地内の別々の家で住むことになった。実は今の女性陣が住んでいる家は母が前の父と別居したときに自分のお金で建てた家で元々の家よりは大きい作りだった。そのため、兄たちの住んでいる家は元父親が建てたが、元父親が再婚する際に別の場所に土地を買って新しく建てたため、前に建っている家の権利放棄をして、母親の名義になっていた。女の子だけの家になった姉たちは嬉しかったのかもしれないが、夕飯などは真ん中にある離れ家で食べている。そして、終わるとお互いの家に帰っていき、鍵をかける。そんな生活を私が小学校に入るまで続けた。


 そして、私が幼稚園に入園したときに2番目の兄が結婚して家を出た。すると、両親がなにやらもめていた。当時まだ何が起きているのか分からなかった自分にとってお母さんが初めて怖く見えた。


 しばらくすると、お姉ちゃんがいなくなっていた。そう、この前の喧嘩はお姉ちゃんが彼氏を作っていたこととできちゃった婚のことでもめていたと物心が付いたときに知った。彼女にとっては衝撃的な出来事だった。そして、一番上の姉とは約20年経った今も会ったことがない。ただ、なぜか兄たちには自分の子供を会わせることがあるみたいで当時おなかにいた長男が今は一児のパパになったそうだ。そして、菜芽のはなしをすると「そんな妹いた?」と言うそうだ。それはそのはず、いつも遊んでくれたのは2番目の兄と3番目の兄、9つ離れた姉14歳離れた姉だけだったからだ。もちろん、3人とも今でも気にかけてくれて、2番目の兄は大学の学費や妹たちにかかる費用を出してくれて大学を卒業させてくれた。そして、兄が私と母親がさまざまなことで喧嘩をして家出をしたときに家に泊めてもらうなど幼少期からあまり両親から愛情をもらえなかった彼女が本当の親のように感じていた存在だった。


 今は21歳になった私にとって本当のお父さんのような存在だ。もちろん、彼氏が出来たときには兄に報告して、彼氏と同棲することになった時にも報告をした。


 すると、他の兄弟からのバッシングがひどくなっていった。なぜなら、母親が体調を崩して入院したときも彼女だけは来なかったため、お母さんをお母さんだと思っていないのではないかと思ったのかもしれない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る