初めまして、ぶるりです~飼い主を泣かせる会社は、葬らせて頂きます~
@bururimakaron
宣戦布告します
「会社を辞めるって……ほ、本気かね?」
「はい。僕は本気です」
顔から血の気が引き、明らかに動揺している松村部長。それを下から見上げているのは、犬のぬいぐるみ。なんとも言えない表情で、部長の顔を覗き込んでいる。半分しか開いていない目が、余計にやる気のなさを強調させる。松村部長は眉間に皺を寄せた。
「君ほどの人……いや、ぬいぐるみが辞めることはない。まぁ、山本さんの方は別に構わないんだが、今ぶるり君に辞めてもらうのは困る!」
役員の重厚なテーブルをドンと叩き、ぬいぐるみを威圧する上司。明らかにパワハラだ。でも僕にはそんなの関係ない。僕が怖がるのは、大好きな人が怒ったり悲しんだりすることなんだから。僕は首を横に振った。
「それだけじゃないですよ」
「え?」
短い前足をめいっぱい広げ、ありったけの声で叫ぶ。
「飼い主を泣かせる会社は葬らせて頂きます!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます