第7話 [今の実力]
ピピピピッピピピピッ。
「うーーん……?うるさい……」
何かがなる音が聞こえる。
俺はボーッとしながらベッドから降り、その音の方へと向かった。
音の発生源は謎の金属製の板であった。
「む……?なんだこれ。とりあえず【鑑定】」
鑑定したところ、これは“スマートフォンというもので、様々な機能が付いている画期的な機械らしい。
そして今鳴っているのはその機能のうちの一つ、アラームらしい。
「えーと……ここをスライドさせて……よし、止まったな。うーーーん…朝か……」
俺は両手を上にあげ、伸びをした。
この部屋にある窓にはカーテンがかかっているが、隙間から朝日が漏れ出ていた。
カーテンをシャッと開けると、眩しい太陽が見え、俺は目を細めた。
「さて、今日は何をするか……そうだな、今の俺がどれだけの魔力が出せるか試してみるか!」
この世界に来てから大きな魔法をあまり使っていなかったので、今日はどれほど衰えたのかを試す人することにした。
「だが流石にこの街中で魔法を撃ちまくっていたら大事件になってしまうな……」
それにこの世界は魔法という概念が存在しないのでそんなのを目にしたら少々面倒ごとになる予感がする。
「そうだな……海へ行くか!」
“海”。それは元の世界にもあったものだ。そこだったら巨大な魔法を使ってもおそらく問題ないだろうと思ったからだ。
「このスマホとやらを使ってみるか」
俺は一度も行ったことない場所にも大体の座標がわかればそこへと転移できるのだ。
なのでこのスマホで地図を開き、その座標を調べようと思う。
そして今回も無事に【鑑定】でパスワードは解除できた。
地図を無事に開くことができ、今いる場所を確認することができた。
「お、すぐ近くに海があるではないか。では場所もわかったことだし……【
俺は魔法を発動させ、早速海上へと向かった。
〜〜
「よし、着いた———って、うわっ!?」
海上に転移したのはいいものの、その後のことを考えておらず、海へ向かって真っ逆さまであった。
「ま、まずい…【
これはまたもや文字通り、重力を操る魔法だ。前世では山ぐらい余裕で持ち上げられたが、今ではどうだか……。
「それも兼ねての、実力試しだな」
俺は天と地が逆さまになったように頭が水面スレスレに、足が空に向かって伸びていた。
目の前が水面ギリギリのところで止まり、なんとかずぶ濡れは避けれた。
俺はくるっと一回転し、元の状態へと戻した。
「さてじゃあまずは……【範囲結界・
これは周りに結界を張る魔法だ。どんな結界を張るかも自由自在に変えられる……というか変えられるようにしたのだ。
「ふむ…問題ないようだな。ちゃんと機能している」
俺はこの結界を半径三キロメートルの球体の形のように張った。
“
俺が許可したものだけ出入りできるようになるため、今回は空気と海水のみ出入りできるようにしている。
あとは周りからの魔力干渉ができなくなるという利点もある。
なので巨大な魔法を使っても同じ転生者や魔法が使えるものから探知ができなくなるのだ。
「では早速やってみるか。手始めに……“複合魔法”【
俺が魔法を海面に燃え盛る炎を纏う竜巻が数十個発生した。
「ふむ、これも使えるが……やはり衰えたな。結界内の水を全て蒸発させるのに約二十秒もかかってしまったな」
俺の結界内…半径三キロメートル内にある海水は全て蒸発した。
「さて、次は———」
それからもバンバンと魔法を使いまくり、実力試しをしたが、全て使えるはいいものの、魔力量が少なくなってしまったため威力は前世の三分の一程度であった。
魔力量はおおよそ前世の三割程度。使える魔法は全て覚えているので多少強力な敵が来ても問題ないだろう。
魔法を使いまくっていたので魔力量がほぼなくなり、すでに太陽も沈んでいた。
「もうこんな時間か……明日は高校への道のりを確認とこの世界で買い物をしてみる予定だからそろそろ帰るとするか」
「【
玄関へと転移したが、家の中は真っ暗であった。
俺は階段を登り、自分の部屋へと戻った。
だがここで重要なことを思い出してしまった……。
「はっ!?部屋の掃除をしなければ……!!」
見事に部屋が散らかりまくっていた…。
「ま……魔力がもう無いではないか……!」
今の時刻は午後八時。それから軽食を食べ、魔法は一切使わずに部屋の掃除をしていたが、眠りについたのは日付を超えてからであった。
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