水の王の蒼3

渋谷かな

第1話 水3

(私の名前は水の妖精ウンディーネ。)

「水の妖精!?」

 現れたのは水の妖精ウンディーネだった。

「ああ!? その声は夢の中で俺を呼んでいた少女の声だ!?」

(はい。やっと会えましたね。水の王。)

 蒼が夢で聞いていた少女は水の妖精ウンディーネの声だった。

「君は俺のことを水の王と呼ぶけれど、俺は普通の人間だぞ。」

(あなたは水の王の生まれ変わりなのです。この世界に邪悪なる者が現れた時には本来の力を解き放ち覚醒しなければいけないのです。魔王が現れた今こそが、正にその時なのです。)

 蒼は水の王の生まれ変わりであると水の妖精ウンディーネは言う。

「本来の力って?」

(念じて下さい。さすれば水はあなたの望むように姿を変えるでしょう。)

「念じる?」

 半信半疑だが蒼は試してみることにした。

「ガオー!」

 蒼は直感的にデビルソルジャーの剣が自分に向かってくるのを危ないと感じた。

「カキーン!」

 その時、水でできた剣が現れ、デビルソルジャーの剣を受け止める。

「これは!? 水の剣!?」

(それはあなたが念じたからです。)

「俺が念じたから水が剣になったというのか!? 」

 蒼は自分の思いが剣を生み出したことに驚く。

(さあ、水の王よ。目を覚まして下さい。戦いの時です。)

 蒼から水の力が解放され水の王が覚醒する。蒼の周囲には水のオーラが溢れている。

「ウンディーネ。どうやって戦えばいい?」

(私がサポートします。)

「よろしく。頼む。」

「はい。」

 力に目覚めた蒼に水の王としての風格が出てくる。

「いくぞ! ウンディーネ・ウォーター!」

 蒼はデビルソルジャーを一撃で倒す。

「やった! 勝ったぞ!」

(当然です。だって、あなたは水の王なのですから。)

 勝利を喜ぶ蒼。

「姫! 姫を助けに行かないと!」

 蒼はさらわれた姫を探しに行こうとする。

(いけません!)

 止めるウンディーネ。

「なぜ止めるんだ!? 俺は水の王! これだけ強ければ姫を取り返せる!」

(無理です。今の目覚めたばかりのあなたの実力では魔王には敵いません。)

「なに!?」

(それほどに魔王は恐ろしい相手なのです。)

「クッ!?」

 歯がゆい蒼。

「きっと、いつか、姫を救い出して見せるぞ!」

 決意する蒼であった。

 終わる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

水の王の蒼3 渋谷かな @yahoogle

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る