夢の中の記憶

フナ

第1話

それは、一年の初め

学校に慣れてきて、友達もできた頃、休憩時間に僕の教室の扉が開いている時にだけさっと横切る女性がいた。

それは、一瞬の出来事で、幽霊みたく現れたり消えたりしていたので、僕は、彼女の事が不思議だった。何処のクラスかも何年生かも名前もいったい何者なのかも僕は知らない。


そして、1学期過ぎた頃

僕は、テストで赤点取ってしまい放課後まで、

残されていた。

補習が終わる頃には、辺りは暗くなっていた。

先生「お疲れ様。」

「もうこんな時間だね。」

僕「そうですね…」

…「そりゃもう8時だもんな」

先生「さようなら」

僕「さようなら」

「さっさと帰ろう」

僕は、補習道具を鞄に積めて下駄箱が有るところまで歩きながら人に聞こえない程度で、

「暗いなぁ何か幽霊とか出そうだ」

「こんな時間帯だし誰もいないだろ」と呟いていたら彼女が図書室から出てきたのだ。

僕は自然に「あの~こんな時間に何してたのですか?」と声をかけた。

彼女は、少し驚いた顔で「ちょっと面白い本を読んでいたらこんな時間に…」

「でっ貴方は何してたの?」

僕「僕は、テストでやらかして、補習を受けていたらこんな時間になったんですよ。」

女の人「そう…」

僕「そうなんですよ~」

僕は言葉につまり

「こんな時間何で送りましょうか?」

女の人「いいよ。一人で帰えるから」

僕「そっ…そうですか」

「何か変なこと言ってしまって…すみません」

「お疲れ様です。」

女の人「お疲れ」

僕は女の人と別れ、下駄箱につき靴を履いた。

「やっぱり彼女は変な人だ」と思いながら帰った。

その後

もう一度会って話したいという気持ちが大きくなっていった。

とある日

僕の教室の扉から彼女が一瞬現れて、僕が彼女に話しかけようと自分の教室から出るとその姿はないのであった。


続く

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