中々夜中
秋野眼鏡
第1夜 じしん
自己PRを200字で書け。
学生時代に力を入れたことを400字で書け。
4月から就活もどきを初めて何回みただろう。
200字で一体私の何が分かるのか、400字で思い出が伝わるのか、何度も何度もパソコンの前で愚痴った。なんなら現在進行形で愚痴っている。
それでも最近思うのは、質問に対して文句を言えているうちは楽しいなってこと。
つい先日、企業の本採用がちらほら始まって以来、毎日不安に怯えている。
そんな中、1つ上の人達の就職率、
69%
ありえないと思った。
去年までは98%くらいじゃなかった??
そのうちどれだけ正社員なのかは知らないけれど、とりあえずでも新卒の殆どが何かしらの仕事にありつけている。
それが今年は、69% たった69%だ。
絶望に近いものがある。
「就職氷河期に比べたらまだまだ余裕」とか言ってる場合ではない。
私は今まで好きなことを貫いてきた。本が好き、日本語が好き、文章を書くのが好き。全て忠実に、好きを継続できるように生きてきた。もちろんそこに努力は当然あったし、好きのために嫌いを受け入れることもあった。
だからこそ、この状況に焦っている。
社会的に安定した就職率とそれ相応の求人率が大前提として考えられた私の「楽しい人生プラン」は「コロナ」というサプライズゲストの登場により「一か八かの賭博人生プラン」になった。つまりカ○ジだ。
好きなことに特化しすぎた私は、普通とは程遠い所まで来てしまった。とりあえず就職するか、と言って出来る人間では無くなってしまった。出来ることは限られている、知識も技量も偏っている、そういう人間だ。
だから安定した就職率が必要なのだ。
どれだけ料理が下手でも圧力鍋があれば何とかなりそうな気がするでしょう。使わないにしてもあるだけで料理が上手くなったと錯覚する。そういう感じだ。
けれどあてにしていた圧力鍋は突然壊れた。残されたのは握りなれていない包丁と調理の仕方が分からない食材のみ。
不安になって当たり前でしょ??
でも周りの友達は平気な顔で料理をしている。
私は1人で食材を眺めているだけだ。
どうしたらいいのか分からない。何が正解か分からない。そんなのは当然で、頭で理解もしている。ただ、そういう分からないより大丈夫なのか分からない。就職できるのか分からないといった分からないが怖い。
エントリーシートに自信を持って自身を書くことは出来ず、地震の時みたいにカタカタ震えることしか出来ないでいる。
今ひとつ分かるとするなら、まだダジャレを言える余裕があるということだ。
これから先、さらに追い詰められたらもう文章も書けなくなるかもしれない。
だんだん眠たくなってきた。
不安が大いに残っているものの、とりあえず今日のところは目を背けることにする。
おやすみなさい。
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