16日
着物姿の女の人が、楚々と前を歩いている。
と、唐突にぴたり、とその人は足を止め、何かを決断するような間を置いた後でさっと草履を脱ぎ、左手と右手それぞれに草履を握りしめ、袖をぶんぶん振り回しながら足袋で坂を駆け下りていった。
その潔さに、心を奪われる。
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