第7話 ぼくは狂っちゃいない! 

少年=

ぼくは狂っちゃいない! 世間の奴らが、狂ってるんだ!  父さんも母さんも、学校の先生も友だちも、いや、みんながだ!  ぼくだけが正しい、とは言わない。でも、狂っちゃいない!  冷たい、いやそんな生易しいものじゃない。 恐ろしい世間の奴らよりは、曖昧さを拒絶するマネキンの方が、余程落ち着ける。

人間のように勝手な論理を振り回したりしないし、傍若無人な行為もしない。口では、「弱者に優しい社会を!」なんて言うくせに、強者の論理で行動してるじゃないか!


ああ、閻魔大王が見えます。

えっ! 先ほどのどす黒い液体は、まさか! 閻魔大王だったのでしょうか。

わたしの目の錯覚だったのでしょうか。


閻魔=

私も色々の精神を患らった者に出会いますが、こんな少年は初めてです。明らかに狂い人だと思いながら、一方で否定するのでございます。と言うよりは、そうであってはならないのだ、と私自身に言い聞かせているように、思えるのでございます。

まあ、私の話を聞いてくださいな。

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