ユキノシタツバサ流小説の書き方論

文字のニュアンス

文字のニュアンスを掴むことは小説を書く上で必要な感性になっていきます。小説の世界では文字のインパクトは読者に与える想像にかなりの影響を与えます。文字のニュアンスを伝えるにはまず小説家であるあなた自身が文字を打つその指に完成を研ぎ澄ますことです。例を挙げよう。

「星、満ちる」

暖炉の中で火花がパチパチと鳴っている。木の温かみを感じる椅子に黒猫が揺られている。青い小さな星が散りばめられたパッチワークの毛布。

陶器のように白い窓辺の机の上で、女の子の金髪の短い髪が揺らめく。

-->こんな感じで自分の作品を引用しましたがどうでしょう、イメージは沸々として広がったでしょうか。これは漢字にも意識を入れています。文章は見た目も大事です。例として暖炉の中でをだんろの中でとしたらどうでしょう。

　だんろの中で火花がパチパチと鳴っている。

また何か味が変わったのではないでしょうか。これは極端な例なのでこうしましょう。

-->　　陶器のように白い窓辺の机の上で

　これはどうでしょう冷たい感覚が浮かんだら幸いです。これが

-->真っ白なキャンパスのように白い窓辺の机の上で

　だいぶ温かい感じがするのではないでしょうか。

このように文字にはイメージを与える力があります。本を読んでいるときもこのように感性をつかさどりながら読むのがコツです。