失礼な眼鏡店員は時々執事

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失礼な眼鏡店員は時々執事

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失礼な眼鏡店員は時々執事 



店員 :お客様になんとか良い眼鏡を選んでいただきたいがどんどんエスカレートしちゃう。たまに前職の執事が抜けないカッコいい冷静沈着なイケメン


客  :出かけ先で眼鏡が折れちゃった。眼鏡屋だーって気楽な気持ちで入っちゃった客。ツッコミLVが6ぐらい上がる。











本編↓









「うわー…まじか…眼鏡折れてんじゃん。はぁ…へこむわ~…ん?お、この店眼鏡屋さんだ!5000円ぐらいの眼鏡無いかな~」


店員

「カランコロンカラン・・・・いらっしゃいませご主人様」


「あ、え、はい。今、口でベルの音しましたよね」


店員

「これは失礼致しました…お客様をご主人様だなんて…私としたことが…」


「や、そこはいいんですけど…あのぉ…ここ、眼鏡屋さんですよね?」


店員

「それ以外に何屋に見えるのでしょうか?カズ○屋さんでしょうか?」


「あ、はい、すいません…え、カズ?」


店員

「で、何の目的でここまでお越しになられたのでしょうか?」


「えとー…何か変だなこの店…」


店員

「変とはこれは失礼な…れっきとした眼鏡屋ですよ」


「眼鏡が折れてしまって、変わりの眼鏡えを───」


店員

「まずは謝っていただけますでしょうか、三行前のあなたの言葉…「えとー…何か変だなこの店…」についての謝罪をお願い致しますご主人様」


「敬ってんのかどっちなの…あ~めんどくさいなー…はい、申し訳ございませんでした」


店員

「めんどくさく謝られたのでは眼鏡と眼鏡の精に失礼ではありませんか」


「眼鏡の精!?」


店員

「ええ…は?…ですから眼鏡の晴のこの私に──」


「いや変わってないよ?」


店員

「あぁ…申し遅れました、私こういう者です…」


「あー名刺ね…何々?……眼鏡乃 晴さん!?本名!?凄い名前だね!!ごめんね!あなた自分の事フルネームで呼ぶタイプの人なんだね!」


店員

「わかっていただけて何よりです…さてお客……ご主事様」


「何で言いかえたん」


店員

「何故ここに馳せ参じられましたか?」


「今時言う人おる?馳せ参じるて…あ、そうだった。これ、眼鏡が折れてしまって、急しのぎにと変わりの眼鏡と思って」


店員

「なるほど…かしこま」


「なんでそこで止めるん」


店員

「それでしたら…んー…これなんかいかがでしょうか?」


「えー…凄いデザインですね…あれですか?渋谷系~みたいな感じです?」


店員

「ええ、まぁそれとなく」


「あんた雑いな、わ、でもなんかこれベタベタするんだけど…」


店員

「えぇ…飴細工ですから」


「顔面アリだらけになるわ」


店員

「ダメですか…まったく、困ったお人で…困ったご主人様だ」


「だからなんで言いかえんのて。いや人は言いかえんでもええやろ」


店員

「じゃぁこれはどうです?ほら、似合う」


「お~綺麗な青だ~いいですねこれ!」


店員

「いいでしょう?ある生き物をそのまま加工して眼鏡にしたんですよ」


「んー…嫌な予感しかしませんがどんな生き物なんですか?」


店員

「アイゾメヤドクガエルのコバルトタイプです」


「はい猛毒もった青いカエルぅぅう!!いりません~!」


店員

「まったく…どんな眼鏡がいいんですか…」


「そこらへんにいっぱい置いてあるやつあるでしょう!それとかー!」


店員

「あー…これですか?飴でできてますけど」


「またかよ!んじゃそっちは!!」


店員

「こっちですかー?こっちもアメで──」


「それもなの!?」


店員

「や、これは雨水でできてましてね?特殊なんですよー」


「水をどうやって加工したのー?ぴちゃぴちゃしてるよこの眼鏡ぇ」


店員

「凄いでしょー」


「ノーベル賞もんだわー!ってこんなのかけてたら二度見三度見ぐらいされるわ!!他の!!!」


店員

「まったく……それではこれは…私、眼鏡乃の自信作ですよ」


「あんたが作ってんのね…いや、これ凄いね…銀?シルバーでできてんのこのふちとか」


店員

「いえ…それはオリハルコンです」


「え…おり?」


店員

「はるこん」


「オルリル?」


店員

「ハルルコルン」


「オーリー?」


店員

「ハールコーーン!」


「最後のほうとんがりコーンみたいだったな…あのゲームとかででてくるやけに硬い鉱石です?」


店員

「ゲームとかにでてくるではありませんよこのゲス……ゲ主人様」


「ひどいフュージョンだなおい」


店員

「この眼鏡はあらゆる属性に耐性がありすべての魔法を跳ね返してくれます」


「すいません日本語を」


店員

「ですから…地下90階から取れる鉱石でしてかなりのレア物となっております」


「ほー…でも、お高いんでしょう?」


店員

「78000Gです」


「やっぱ日本円じゃなかったかーそれはやめておきます」


店員

「そうですか…あ、日本円でぇ買えるやつがぁ良い感じですぅ?」


「なんでそんな言い方なんでしょうか」


店員

「日本の物か~…あるかなー」


「日本なんだからもうちょっと考えてよ」


店員

「あ、これはどうです?デュワ!」


「もうどっかで見たことあるやつやもんそれ」


店員

「500円ですよ」


「お、安い」


店員

「ですが迫りくる怪獣から世界を守るルートが始まりますよ?」


「却下で」


店員

「ワガママすぎるぞ♡」


「いや普通嫌でしょ!そんなルート!眼鏡買いに来ただけやのに!」


店員

「じゃぁ…こうしましょう、オーダーメイドで作りましょう……あ、ご主人様」


「ほぅ、でもオーダーメイドって高そうなイメージがあるんですが・・・最近ご主人様って言ってないなーって思って語尾につけるのやめてもろて」


店員

「なんと10秒前に考えたプランならオーダーメイドがたった5千円」


「じゃぁこうしましょうって言ってるあたりじゃねぇか、今さっきだそれは」


店員

「ダマレ、オマエ、コマカイ」


「森の人かな?」


店員

「んなこたぁどうでもええんですわ」


「あー5千円で作れるオーダーメイドでいいですねー」


店員

「心がこもってないですね…なんでそんな棒で読むのか。いいとも感だして。」


「え、いいとも感?」


店員

「今日はオーダーメイドみたいだね」


「い~ですね!」


店員

「そう、それよ」


「いや何人わかんのよ」


店員

「さっそく質問していきますね」


「あ、はい…あ、でもそんな時間無いからやっぱあるやつ見せてもらっていいですか?」


店員

「ないわ」


「いや、こっちは客やぞ?ええがな別に!」


店員

「あかんよ、あ、だめですよそんなの。いいですか?…一度走り出したトレインは…各駅停車じゃないんだよ…」


「やカッコよく言うてますけど全然意味わかりませんから」


店員

「とにかく話が進みませんから…オーダーメイドで、いいですね?」


「そこはいいとも風じゃないんだ気になる」


店員

「それではいくつか質問させていただきますね」


「はい」


店員

「今、どうです?」


「なにがです?」


店員

「調子」


「あ、まぁそこそこですかね」


店員

「ふむ…じゃ次」


「はい」


店員

「最近、どうです?」


「なにがです?」


店員

「景気とか」


「悪いんじゃないですかねぇ」


店員

「ふむふむ…じゃ──」


「こんなんで眼鏡できますかねぇ!」


店員

「しっかり質問を答えてから言ってくださいますか?」


「怒られた!…はいじゃ次どうぞ」


店員

「今後、どうです?」


「良くなるんじゃないですか?知らんけど」


店員

「ほぅほぅ…はい、質問は以上です」


「こんなんで眼鏡できますかねぇ!!」


店員

「できるんだねこれが」


「できちゃうんだね」


店員

「じゃぁ次は素材を選んでいきましょう」


「素材?」


店員

「フレームの部分にアルミやらプラスチック、変わったところではサッカライドの凝固形・・・・つまり平たく言うと・・・」


「飴…飴好きやねぇ店員さん」


店員

「眼鏡乃、とお呼びくださいませ我襲院…ご主人様」


「何を言い間違えた?なぁ?……で、何で作るか選べばいいんですね?おすすめとかあるんです?」


店員

「あります…今私めちゃくちゃハマってるんですけど…いいです?」


「はい、なんです?」


店員

「お米です」


「なんでよ、なんでお米で眼鏡が作れんのよ」


店員

「や…あの、やってみたいなぁと思って…ごめんなさぃ…」


「小学生みたいな謝り方。却下で!」


店員

「えー…じゃぁ普通にチタンとかにしますか~」


「普通が一番いいですお願いします」


店員

「畏まりました…できあがるまで街でも見てきたらどうだい?」


「なんでちょいちょいゲームのお店の人みたいな台詞言うんかなー見にいきません!」


店員

「そうですか…じゃぁやるか…あ、大事な事聞き忘れてました。レンズいれます?」


「いるよ!伊達眼鏡は意味ないでしょうよ」


店員

「コナンくんみたいだからさーいっかなーって思いましたよね」


「はよ作れ!」


店員

「はーい。………ご一緒にポテトは──」


「いらんからはよ!」


店員

「はーい。…………なんと今なら送料無料!」


「ここにいるんだから送料も何もないでしょうがよ」


店員

「ですよね………あの」


「なによ!?早く作ってよ!」


店員

「や、ちょっとチタン溶かして型に流すんで離れていただいていいでしょうか?」


「ぉ?いきなりなんか本格的だねー…わかりました」


店員

「では、参ります。……我が盟約に従い、炎の精霊よ、今ここに古より蘇り、太古の炎、純粋なる穢れなき炎、全てを滅炎し猛る灼熱の炎よ、全てを焼き尽くし、喰らいつくせ」


「詠唱や、これ絶対詠唱や」


店員

「メラ」


「技名短っ!火ちっちゃ!種火やん!」


店員

「これで1時間近く炙るんです」


「長すぎでしょ、だから時間無いんですって」


店員

「美味いですよ?」


「いや食うんかい」


店員

「私が」


「お前が食うんかい…あぁー!!!もぅいい!!そこのセロハンテープ貸して!!!」


店員

「え、いいですが何をするんです?ま、まさかそれで私を縛りつけるのでは…」


「セロハンテープでは弱すぎるやろぉ?良くてガムテープからやわそういうのわ!」


店員

「どうするんです?セロハンテープで」


「折れた眼鏡巻いて使うからもういい!!!オーダーメイドも無し!ん、しょ。よしこれで完成!ありがとうねっ!!」


店員

「お待ちくださいお客主人様」


「なにぃ!?」


店員

「セロハンテープ代…50円払ってください」


「ケチ!!!!!」














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