第4話 再会する第5階層



 階層5


 ダンジョンの五階層まで来た。


 このダンジョンは天空に伸びるダンジョンなので、進めば進むほど高度が上がっていく。


 最後の層では、月の施設にくっついてしまうほどだ。


 物理的に人間の行ける距離ではないが、そこは不思議な力とかでカバーしてるんだろう。(詳しく考えたらきりがない)


 たまにダンジョンの壁についてる窓を覗くと、外の景色が見えるので、絶景を堪能できた。


 一休憩していると、入り口でスルーした攻略対象に話しかけられた。


「ねぇ、入り口で会ったよね」


 だけど私は、ガン無視。

 興味ないね、みたいな顔してる。


 が、相手は鋼メンタルなの?

 しつこく話しかけられる。


「休憩できないわ」

「かわいい子を眺めて、目の保養にしたいんだよね」

「あ、そ」


 なんて、攻略対象らしい口説き文句。


 見え透いてすぎる。

 そんなんじゃ、馬鹿しかひっかかからない。

 

 私はげんなりした。


 ダンジョン攻略に恋愛なんて不必要。


 感情に突き動かされて行動する人間なんて、足手まといになるに決まっていた。


「休憩終わり、さよーなら。壁に話でもしてたら?」

「えっ? 待ってよねぇ。かわいこちゃん」


 私はつーんとしながら、先へ進んだ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る