第4話 不憫な悪役令嬢
しかし、ゲームの主人公は何かにつけてイチャイチャ。
浄化の仕事についての描写が一なら、攻略対象達とおしゃべりしたり遊んだりするのが九の割合だ。
乙女ゲームだから、イケメンとイチャイチャするのは分かる。
けど、何事にも限度があるというものだ。
そんな深刻な世界背景にしたなら、なぜもっと主人公を働かせない。
おかげで悪役令嬢が出張ってきて、主人公を説教する始末だ。
ありがたい事にひどくまともな思考をしている悪役令嬢カチュアは「ちゃんと仕事をして!」とか「恋愛より、世界の事を考えなさい」とかもっともな説教をしてくれる。
けれど、主人公を溺愛する攻略対象達が、悪役令嬢を追い払ってしまうのだ。
なんて事なのだろう。
イケメンは頭が悪くても務まるらしい。
将来私の背中を預けることになる人間が、そんな低能騎士だったとはがっかりだ。
もっともっとえらくなって、彼らをクビにできるくらいの実力を身に着けよう。
ときめきを覚えるどころではない。
乙女ゲームの知識を思い出した私は、心からそう思っている。
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