第33話 決闘(2)
(ミラ) 「相手が戦闘不能、もしくは降参で決闘は終了致します。両者準備はいいですか?」
(クラム) 「もちろん、いつでもこい。」
(海斗) 「大丈夫です。」
(ミラ) 「それでは決闘を開始します。」
ミラの開始と共にゴングが鳴らされた。
決闘が遂に始まった。
クラムは最初から自分のもてる魔法を先制で繰り出してくる。
(クラム) 「貴様など5秒で沈めてやるわ!炎華大粉塵(エンカダイフンジン)!」
クラムの技は炎系が多く、その中でも詠唱が短いが威力の強い魔法を繰り出してきた。
(海斗) 「基本的にこのレベルか。なるほど。あ、木剣にするの忘れてた。」
海斗は考えていたため、クラムの炎華大粉塵を直に受けてしまった。
(クラム) 「あれだけ、強気で居たくせにこんなものか。」
クラムがそういって会場を去ろうとしたが、
(海斗) 「どこいくんだよ。まだ始まったばかりだろ?」
海斗は傷1つつかずに立っていた。
(クラム) 「馬鹿な。なぜ、傷1つついていないのだ。いや、審判!ソーサーリングが反応したのではないか?」
(ミラ) 「いえ、ソーサーリングは起動していません。どうぞ、決闘を続けてくださいな。」
(海斗) 「それよりも、炎系の魔法と後何が使えるの?もっとうってきなよ。」
(クラム) 「き、貴様。どれだけ我を侮辱すれば…。いいだろう、私の打てる最強をうってやろう。」
クラムはそういうと超級魔法の詠唱にはいった。
魔法は初級、中級、上級、超級、帝級、神級に分けられる。
1年生で超級を使えるのはとてもまれな事でクラムの魔法の才というのがわかるのだが、それは一般常識であって海斗の常識ではそれは弱いものだった。
(海斗) 「なんだ、最強っていうから凄いのが来ると思ったら…超級か。」
海斗は少しがっかりした様子だったが、その間にクラムの詠唱は終わった。
(クラム) 「くらえ、超級魔法 グランドファイア!!!!!」
グランドファイアは超強力な魔法で、広範囲技で決闘場の大きさより大きくなる魔法だ。
逃げることがこの場からは不可能になるため、クラムは勝ちを確信したが、
(海斗) 「さすがにこの大きさを切るのは大変だな。」
そういうと刀を抜き、
(海斗) 「神創神明流 一刀流奥義 蒼華祥 光の太刀。」
海斗が左から繰り出した技はいとも簡単に炎を真っ二つに切り、光属性魔法の浄化で炎全てが消された。
(クラム) 「な、なにっ!!!なにが起きた、どうしたというのだ。」
クラムが焦っている最中、
(海斗) 「そんな呑気に考えていると戦場では命を落としますよ。少し痛いかもしれませんが許してください。神創神明流 神伝 天ノ燕。」
天ノ燕は超強力な型の1つで、海斗の師匠、三上宗一郎はこの技でドラゴンの頭をいとも簡単に切ったという。
そんな技を使えば、ソーサーリングは破壊されるだろう。
クラムは泡を吹きながらその場で倒れてしまった。
海斗がうった技は空気をも切り去ったため会場の空気が一瞬だか冷たくなった。
(ミラ) 「クラム・エンポリオのソーサーリング破壊、それに伴う戦闘不能により、勝者カイト・アマツバとなりまーす。」
会場は驚きと唖然とした雰囲気になりつつも、決闘の幕が閉じた。
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