第10話 アルカナへの行路

夕暮れ時、中立都市アルカナへの馬車が出発する。


海斗はというと、

(海斗) 「やべっ。街が楽しすぎてついこんな時間だ。ギリ間に合うか間に合わないかのどっちがだ!」

めちゃくちゃ急いでいた。馬車まではさほどのり距離はないが、とにかくギリギリだ。

しかし、足に身体強化を施しているため、走力は早い。

(海斗) 「ふぅ。あぶっねー。なんとか間に合った。」

(アイナ) 「あら、かいと。あと少しで出発でしたのよ。」

(海斗) 「アイナか。いやー街が楽しくてつい長居してしまった。」

(アイナ) 「まぁ、間に合ったのですからよかったですね。」

アイナはニコッと笑った。アイナの容姿は髪の毛は長くすごく艶のある髪だ。すごく綺麗な顔立ちでいかにもモテるという感じだ。スタイルもよく、正直完璧に近いんじゃないかと思う。

(アイナ) 「この馬車は直行便ですから2週間で着きますわね。楽しみですね、永劫学園。」

(海斗) 「2週間か〜長いな。確かに永劫学園がどんなものなのかすごい気になるし楽しみではあるね。」


そういってたわいも無い話をしていた。この馬車は特別らしく、アイナと貴族の男数名と海斗しかのっていない。そして、高級な馬車らしくとても乗り心地がいい。海斗は疲れてしまってすぐに寝てしまった。


寝て少したった頃、

(黒夜叉) 「主、魔物の気配です。起きてください。」

(海斗) 「ど、どうしたんだ。せっかく寝ていたのに。意識に問いかけるのはやめてくれよ〜。」

(黒夜叉) 「弱い魔物ですが数が少しばかり多いです。ご準備された方がよろしいかと。」

(海斗) 「了解。馬車が無くなればきついからね。止めてもらおうか。」

海斗は馬車を止めてもらい周囲を警戒した。

(海斗) 「索敵開始。サーチ。」

サーチで魔物の数は20と判明。基本はゴブリンやウルフなどだった。しかし、6名ほど人であった。

(海斗) 「多分、盗賊かなにかだろうな。入館ゲートで最近盗賊が多いって言ってたしな。まぁ、捕縛した方が良さそうだ。」

そうすると海斗は素早く動き、隠れていた盗賊の所にいった。

(盗賊1) 「な、なんでここが分かったんだよ。」

(海斗) 「バレバレだよ、少しは魔力を隠そうという努力しないと。」

海斗は笑みを浮かべながら言った。

(盗賊頭) 「バレたならしょうがない。やれ、お前ら!相手は子供だ。いい装備もしてる。剥ぎ取ってやれ。」

(海斗) 「光線の鎖。この鎖は術者が術を解くか、術者が死なない限り取れないよ。ここで治安部隊を待って捕まるといい。」

(盗賊頭) 「何が起こったか、さっぱり分からなかった。一瞬のこと過ぎて。」

海斗は光属性の魔法を使いすぐに捕縛して魔物の所に向かった。

(海斗) 「黒夜叉、光月いくよ。神創神明流 奥伝 月詠。」

早すぎる剣技で魔物を一掃し、馬車の騎手に事情を話し、馬車は再出発した。

この時、アイナは海斗がでてからすぐに目を覚ましたが、一緒に乗っていた護衛が外にでるやいなや既にことは終わっていた。窓越しから様子を見ていたアイナは、

(アイナ 心) 「今のは何。消えてもどって来たと思えば、魔物をあんな速さで切るなんて。」

アイナは海斗の実力を認識し、海斗がもどって来る頃には寝たフリをした。


(???) 「素晴らしい。光魔法を使い、そして見事な刀さばき。そして、二刀流使い。一方で、白い刀と黒い刀。黒い刀からは微かに闇の力を感じた。もしや…」


黒いローブをした奴が様子を少し伺っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る