お誘い
「あの、その……」
ああ、私はダメな女だ、と思った。
「今度の、日曜にね……」
好きな彼女を誘うことすら、上手くできない。
「日曜に、なに?」
彼女が優しく言う。
「だから、その、日曜に……」
すると、チャイムが鳴った。
「あ、私、教室移動あるから」
手際よく彼女は荷物をまとめる。
「じゃ、今度の日曜、あなたの家に遊びに行くね」
ウィンクをして、彼女は言う。
赤くなった私を見てからなのか見なかったのか、彼女は鼻歌交じりに去っていった。
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