ふじのん短編集2
櫻春亭梅朝
ポテチ
「ただいま」
家の玄関を開ける。
「あ、おかえり。もうそろそろでお風呂できるから」
テレビを見ながら横になって、ポテチを食べている彼女がそう言った。
「明日、雨だって。大丈夫かな」
「大丈夫だよ。そんなに降らないらしいし」
「あれ、お風呂入らないの」
「うん。なんだかお腹すいちゃって。食べてから入るよ」
「ふーん」
おもむろに立ち上がって歩き出した彼女は、私の前に立つ。
「ポテチ、食べる」
「……うん」
そう言って、食べかけのポテチを一口もらった。
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