第二章 事の発端
第9話 白い鋼のとある出来事
白い鋼に身を包んだ男が行っている作業を、短く切り揃えられた緑の髪をしている女性は彼に何も言わずにただ見ていたけれども、彼が何をしているのか彼女にはほとんど理解できなかったが、彼がやるということはきっと必要なのだろうなということは理解できていた。
だが、一つの部品を手に取るとしばし眺め、戻すと再び手に取ると言ったよく理解が出来ない作業をしていることに彼女は、彼から見て分からない様にしているのだろうが、見えないということは全くなく、口元を隠すこともなく大きな欠伸をした。
『……あのな、ケイト。見てて暇だったら上に上がってレオナのとこに行ってていいんだぞ』
彼女の欠伸を見かねてか、彼は彼女にそう言うが、彼女はその言葉に首を振ることで応えた。
「……nein。……レオナのところに行っても暇。……それだったら、チーフがいるとこにいた方が、……まだマシ」
少し気怠さを思わせる様に呟かれた言葉は彼女が思っていることをそのままにして声に出したことで彼女自身の気持ちなんだろうな、と彼は、『ケンジ110』は思うことにした。
『まぁ、そう言って見てくれるのも俺としては別にいいんだがな。あんまり見てほしくないんだが、……まぁ、お前だしな。どうせ追っ払っても……戻って来るんだろ?』
「……ja。……チーフが何をしてるのか。……私には全く分からない。……だけど。……見てて楽しいから」
……どこが面白いのかねぇ~。
そんなことを思いながらケンジは作業に意識を戻していく。
彼がしている作業はつい先日、消耗した銃器の
この世界、『ギガンティック・スペイサー』というゲームの世界においては『プレイヤー』が作っていない刀剣や鎧などの武具等に関しては、整備をする必要は全くなく、剣の切れ味を良くする為に研ぐといったことはしなくてもいいという設定になっている。
切れ味を気にする必要がなければ、
研ぐ必要もない。
ということはつまり、そもそも整備などする必要は全くないわけなのだが……。
であれば、何故ケンジが整備などをしているのかという話に戻ってくるわけなのだが、ここで先程言った事を思い出してみよう。
『プレイヤー』が作る必要がない刀剣や鎧などの武具は整備などする必要がない。
そう。
『プレイヤー』自身がこの世界で、いちいち作る必要がないモノに関しては整備などと言ったモノはする必要は全くない。
だが、そう言えるのであれば、それとは別のこと、そう、こうとも言えるのだ。
『プレイヤー』自身が作り出したモノに関しては整備などと言ったモノをしなくてはならない、と。
『……つっても、最初からあるモノに関しては整備とかは要らないんだが』
……整備などが必要なのはあくまでも、『プレイヤー』が単なる趣味で作ったもの限定なんだよなぁ……。
静かにため息を吐きながら、ケンジは一つ一つの部品を丁寧に見ては磨くといった作業をしていたのだった。
そうなのだ。
ゲームにはなくて『プレイヤー』が単なる趣味で作ったモノに関しては整備などをして面倒を見なくてはならないのだ。
別にいちいち面倒を見なくちゃならんとかそういう設定にしなくていいのな、とも思えるモノなのだが、ケンジはそういう設定があるということに満足していた。
……それが、俺がまだ遊べてる理由なのかもな。
そう思いながら、ドライバーを手に取ると慣れた手つきで部品一つ一つを繋ぎ合わせて一つの銃器の形へと戻した。
弾倉がまだ入ってないために弾は当然の如く入ってはいないが、『チャージングハンドル』を引っ張ると、パッと離した。
カチリと初弾が装填されたことを知らせる音が耳に届くと、ケイトがいる方向とは別の方に向けると、引き金を静かに引いた。
カチッ。
弾倉も装填されていないために弾丸は発射されることなく、ただ乾いた音が聞こえるだけとなった。
もう一度だけため息を吐くと、クルクルと手の中で銃器を器用に回して……、上空に投げた。
投げられた銃器は静かに宙に舞う。
だが、その滞空時間はあまりなく、何者にも邪魔されることなくただ地上へと戻ってくる。
地面に落ちる間際のところでケンジは銃器を手に取ると、先程までパーツが置かれていた机の上にそれを置いた。
「……うまく出来た?」
『……あ? ……あぁ、上手く出来たぜ』
とは言っても。
『この前、遊び過ぎたせいで、整備するのがまだまだ大量にあるけどな……』
彼はそう言うと、分解されている大量の部品の方に視線を送ったのだった。
「……? ……そうなの?」
ケイトの質問にケンジは答える。
だが、ケンジが言う大量がどの程度のモノなのか理解できなかったのか、ケイトはそう訊いてくる。
彼女のその反応に彼はもう一度だけ、ため息を吐いた。
『ああ。……大量にあり過ぎて嫌になるほどにな。この前、在庫処分セールで使ったつもりだったんだが。……あった方が良いんじゃないかとか、そういう万が一の時を考えるとな』
……嫌なもんだぜ……。
そう言うと、ケンジはふと思い出したようにケイトに訊いた。
『そう言えば、ケイト。』
「……ja。……なに?」
『さっき、レオナのとこは嫌だって言ったが。……レオナは「騎士団」だかに感謝状を貰いに行ったんだよな?』
「……ja。……そう言えばそうだったっけ? ……それが?」
ケイトは何が言いたいのか全く分からない様に言う。
そんな彼女に指を差しながら、彼は訊いた。
『……なんでお前、いるの?』
「……ああ。……そのこと」
ケンジの質問に今度は彼女がため息を吐くと、彼に答えた。
「……面倒だから」
『……、……はっ?』
ケンジの脳内では『お前は何を言っているんだ』という言葉が出そうになったが、寸でのところで止めると、頭に手を置きながら彼女にもう一度訊く様に言った。
『……あ~……、……うん。……ちょっと待って。……お兄さん、理解したくないのかお前がなんて言ったのかよく分からないんだけど。……もう一回なんて言ったのか、言ってもらっていいかな?』
彼女はいつもの様に面倒だな、と言いたげに答えるのではなく、彼を真剣な眼差しで見つめると、彼の問いに応えた。
「……ja。……面倒だから。……だから、行かなかったんだよ?」
首を傾げる様に彼女は答える。
その動作を見て、『こいつ可愛いなぁ。』と言う気持ちをぐっと堪えながら言った。
『……お前は何を言っているんだ?』
いいか。
『ケイト。お前が面倒だ言うのは分かる。集団相手にいちいち一体ずつ倒すのが面倒だから魔力をそこそこに集団に向けて散らせて、群れごと吹き飛ばすのがお前の得意分野だよな。』
うんうん、わかるわかる。……けどな?
『お前が面倒だって思ってるってことはレオナも同じく面倒だって思ってるってことだよな?』
ケンジの問いに彼女は、「……ハハハ」と乾いた笑いをした。
「……nein。……それはない。……レオナは喜んで行ってる。……でも、私は面倒だから行かない。……分かるよね、チーフ?」
当然分かるよね、と言外に訊いてくる彼女の言葉にケンジは今日だけで何度目になるのか分からないため息を吐いた。
『分かるかよ、んなもん。』
いいか?
『お前が面倒くさがりってのは、まぁ、分からなくもない。俺はお前のことをよく知ってるからな。』
けどな?
『それを抜きにして言わせてもらうんだが。……いくら何でもお前、面倒くさがり過ぎじゃね?』
……俺が言えた義理じゃないけどな。
そう呟く様に言った彼を見て彼女は応えた。
「……そうかもしれない。」
……けどね?
「……少しくらいは甘えさせてくれても。……私は構わないよ?」
彼女の言葉にケンジはおや? と首を捻った。
『……うん? ……ちょっと待とうか。……お兄さん、よく理解できなかったんだけど』
「……ja。……何?」
『……俺じゃなくて、……お前が甘えるの?』
「……ja」
『誰に?』
「……チーフに。」
『……うん、ちょっと待とうか。……お兄さん、ちょっと理解したくないかなぁ~』
「……したくないの?」
『うん』
彼女の問いにケンジは頷くと、現状を脳内で整理してみた。
ケイトは甘えさせてくれても構わないと言った。
誰に?
勿論、チーフという誰かに。
その人物は誰か。
レオナ……は、今はいない。
この『日常と戦撃の箱庭亭』には、今はケンジとケイトの二人しかいない。
ケイトは甘えさせてくれても構わないと言ったから、彼女ではなく除外となる。自分のことをそう呼ぶのならアレになるが。
となると、ケンジのことになるわけだ。
そこまで考えて、ケンジは思った。
そう言えば、こいつが俺のことをチーフと呼び始めたのはいつだったかな、と。
あれは、そう。
まだ犠牲者が出てなくて、『旅団』の連中が、まだ『旅団』として集まる前の事だったはずだ。
あの頃は、ケンジのことをチーフと呼ぶ連中が多かった。
そう思うと、あの頃から『デスゲーム』となっていたのかもしれない。
レオナが『マスター』と呼び、ケイトが『チーフ』と呼んで、エルミアがケンジの名前の下に付いている番号である『110』と呼び始めたのは。
ケイトが言うには、ケンジに自身がいた世界を忘れさせないために呼んでいるとのことだった。
その頃から、もう既にそう分かっていたとすれば……。
「……チーフ?」
『……あ? ……どうした、ケイト?』
「……急に黙っちゃったから。……大丈夫?」
心配そうに訊いてくる彼女にケンジは応える様に頷いた。
『あぁ、大丈夫だ。』
「……本当?」
『死んでないから、大丈夫だぜ。……ってか、こう話してるのに死んでるってのはないだろ?』
「……ja。……それもそうか」
『ああ。……だから、俺は大丈夫だ』
「……でも」
『……あ?』
彼女が続けた言葉が理解できずにケンジは訊く様に言った。
「……チーフの意識は。……ここにはなかったよ?」
『……っ』
彼女は今のケンジの状態を的確に言うと、続けた。
「……だから、訊くんだけど。……大丈夫、チーフ?」
そう訊いてくる彼女にケンジは、こいつはどこまで分かってるんだろうな、と思いながら彼女の問いに答えた。
『大丈夫だ。「
そう言ったケンジに彼女はコクリと静かに頷いた。
「……うん。……良くなった」
彼女は嬉しそうに彼に微笑んで見せた。
彼女にしては笑顔を見せるとは珍しいな、とケンジは思いながら、彼女が笑顔を見せたのは何時ぶりだっただろうかと考えようとして……、先程感じた違和感を思い出した。
『おい、ケイト』
「……ja。……、何、チーフ?」
『話の論点すり替えてなかったことにしようとするの、やめろ。』
「……、……何のことか、分からないけど?」
彼女が答えるのに少し間があったことにケンジは今日だけでもう何度目になるか分からないため息を吐いた。
外へと出て行ったレオナがまだ帰ってこないことにケンジは少し疑問に思いながら一階に昇り、食事スペースに着くと、ケンジは、何をどうやって食べようかと椅子に座りながら考えていた。
因みに、ケイトはというと、ケンジが何をするのか興味がある様子で彼の後を追って反対側の席に座ると、興味津々といった具合でずっと彼の方を見ていた。
ケイトに見られ、ケンジは、少し気まずさを感じていた。
気を紛らわすために、彼女に訊いた。
『……なぁ、ケイト。』
「……ja。……どうしたの、チーフ?」
彼が彼女に何を訊こうとしているのかを分かっているくせに、彼女は何事かを訊いてくる。その事にケンジは、こいつ聞き上手かよ、と思いながら答えた。
『なんか食いたいとか……こう、希望のメニューとかあるか?』
「……nein。……チーフが作って、食べさせてくれるなら。……なんでもいいよ?」
……この野郎……っ!!!! 甘え上手かよ……っ!!!!
声には出さずにケンジは顔を覆いながら天を仰いだ。
特に希望はないが、食べさせてくれるならなんでもいいというのはある意味では最高の破壊力を持っていると言えよう。
何故ならば、下手なモノを作ればその男の評価は最低なモノとなり、そこそこのモノを作ればその男の評価はそこそこのモノとなるからだ。
いわば、ケイトの言ったことは限りなプレッシャーを掛けてくる言葉なのだが、当の本人としては、言葉通りの意味で彼が作り、食べさせてくれるのであればなんでもいい、つまり、その文字通り、美味かろうが不味かろうがなんでもいいという意味だったが、そういった意味が含まれているなどケンジは考えていなかったのだった。
『
「……ja。……それじゃ、待ってる。」
期待はするなよ? とは言うことは出来ずにケンジは台所に入った。
食料を保存するための冷蔵庫といった便利な道具は存在などしない。
あるとしても、それを使うための道具と製造技術といった専門的な知識が必要となる。
だが、ケンジにはそのような知識も技術も持ち合わせてはおらず、ケンジの他七人の『プレイヤー』が集まり、『旅団』と名乗った集団にもそのような知識を持ち合わせたモノは誰一人としていなかった。
そのため、食料を保存するためには燻製にして食べ物の寿命を延ばすか、虫などといった外部からの侵入者を一切入れないために密閉された容器に入れておくしかなく、どこか時代が古いとしか思えない方法だが、それしかないのだから仕方がなかったのだ。
それを理解しているからか、レオナは分厚く密閉された箱を何箱か用意していた。
恐らくは何かしらの食料が入っているのだろう。
彼女からは特には言われていなかったのだが、ケンジは一つはこの蓋を開けてみることにした。
『……おっ。コイツはなかなか上物じゃねぇか』
箱の中にはどう下ごしらえをしたのかは不明だが、みずみずしさを感じる新鮮な野菜と果実があった。
見た目の鮮度だけで言えば、そのまま生の状態で食べても問題はない様にケンジには思える。
そうなれば、特に調理など必要性は全くないのだが、単なる見た目だけを信用して食べてしまえばどうなるかは容易に思えてしまうモノ。
とは言えども、ケンジとケイトの二人には『状態異常無効化』の装備があるので問題などないだが、念には念を入れておきたいというのが、彼の本音だった。
ケンジの背中には『
『
スキル:『聖なる領域』
効果‐ 一つ、状態異常を常時回復する。一つ、即死魔法は無効化する。一つ、強化魔法は倍加する。
効果が多いケンジの装備とは効果が少ないのが、そこそこマシと言えるモノである。……まぁ、マシと言ってもケンジが付けている装備が異常なだけでマシもクソもないのだが。
そんなこんなで別に状態異常の魔法が掛かっていてもいいか、思うケンジであった。
『一応は、湯通しとかしておくか。やっておいて損はないだろ。』
……レオナのヤツには悪いが、帰ってきてから悪い食べちまった、とか言っておくか。
そんなことを彼はのんびりと考えながら、台所横に流れる水路に小さな鍋を突っ込んで、ある程度の量になる様に調整をしながら引き抜き、コンロの上に鍋を置いた。
そして、コンロに火を点けながら、何をどうしたものかなと考えていた。
ふと、野菜類が入っている入れ物を見ると、キャベツに似た緑色をした丸いモノと袋から出ているもやしに似た白く細長いモノが目に留まった。
それを見て、野菜炒めにした方がまだマシだったかっ!!!! と思ってしまうが時すでに遅し。
コンロに掛けられているのは水が入った鍋であり、まだ沸騰はしてないが火を通してしまった。
『……今度から気を付けてみるか。』
……次があるかは分からないがな。
そんなことを思いながら、ケンジはキャベツに似た緑色をした丸い葉物を手に取ると、一枚一枚葉を千切ったのだった。
何枚か千切ったところで手を休めて台所に置いてある包丁に視線を向けた。
包丁がしまわれているその置き場には何本かの包丁が仕舞われていたのが目に映った。
『……マメだな、あいつ。』
包丁が一本だけではなく、何本もあるということはそれを維持するだけで刃の調子を見たり、面倒を見なければならなくなる。
一本あるだけで、面倒くさいと思ってしまうケンジにとっては彼女はきちんとした性格であるように思えた。
……まぁ、ナイフなどを使用しているので、面倒を見ることに慣れてしまったのかもしれないが。
それに比べて、ケイトの面倒くさがりは誰に似たのだろうかと思ってしまっていた。
道具をきちんと扱うというよりかは、壊すことに長けている様にケンジには思えてしまう。
まだ、ケンジがいた頃はそれはもう酷いモノだった。
一つ作っては一つ壊すといった具合だった。
おかげで、何が原因で壊れるのかすぐに分かり改善したものを渡したりなどは出来たので、有り難いと言えば有り難いのだが。
後先も考えずに壊してしまうケイトと後のことを考えた上で器用に使うレオナ。
道具の壊し方についてはケイトの右に出る者はいないので、『どうしたら壊れなくなるか』というものとは逆転の発想、『どうしたら壊れるか』という考えをしなくてはモノを作って与えることは出来なかったあの頃が懐かしいとケンジは懐かしさを感じていた。
そのケイトとは全く逆のレオナは、道具の扱い方に長けており、ケンジが作ったモノへの理解は『旅団』のメンバーを除けば、誰よりも賢かった。その為に、壊れやすいモノをわざと渡したときも何故寿命が長いのか、疑問に思った時が多々あった。
そう。
そう言った意味では、レオナはケンジがなぜ渡したのかをすぐに理解した上で上手に使っていた。それがたとえケンジの悪戯だったとしても、彼女は喜んでその悪戯に付き合ってくれた。
そういう意味ではレオナもレオナで質が悪いと言えるのだが、そう言った悪戯をしているのは主たるケンジなので彼女に対する文句は何一つもない。
従者という意味ではレオナは非常に優れていると言えよう。
ならば、ケイトは……?
そう思って、ケンジは思考を止めた。
『アイツはなぁ……』
なんて言うのかなぁ、と疑問を口に出しながら、ぐつぐつと煮立った鍋に当てられているコンロの火を止めた。
『なんというか……パートナー……? いや、それを言ったら、エルミアもだな……。う~ん、なんて言った方が良いかな……。……右腕? ……いやいや、それ言ったらレオナはどうなるって話だろ』
何と言った方が良いのかな、とそんなことを思いながら流しにざるを置くと、そのざるの上に鍋の水を流した。
沸騰した蒸気が昇り、ケンジの視界は白い蒸気に妨げられる。
見えなくはなるが、全く見えないというわけではない。彼は軽くなった鍋を流しに置くと、ざるの水を落とす様にして軽く振った。
ゴウッ!!! ゴウッ!!!
軽いというよりかは、重いというのではないか? と思える音を出しながら振るわれたざるには水滴は付いてるはずもなくケンジはざるごとまな板の上に置くと、一枚一枚、大雑把に手に取って適当な大きさになる様にその葉を切って……。
『……あぁ、相棒かっ!!!! ああ、そうそう。それだ、それ。なんで出てこなかっただろ?』
おっかしいなぁ、と思いながら何かを忘れていることに気が付いて、野菜が入っていた入れ物に視線を移し、そこにあるもやしに似た白くて細長いモノが目に映ると……。
『オゥ……ケンジィ……。……やっちまった』
何をしようとしたかを思い出して、後悔を感じるとともにため息交じりにそう言ったのだった。
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