雲上の子守唄

yume美

第1話 雲上の天使

 一面真っ白。ここどこなんだろう。

 なんかふわふわしていて変な気分。

 夢でも見ているのかな。



 あ、そうか私死んだんだった。でもなんでか思い出せない。

 とにかくどこかに何かないかあたりを見回した。

 何もない。誰もいない。

 寂しいな。なんか寒くもなってきたし、このままどうなっちゃうのかな私。

 ママ、パパ助けて…



 ママ?パパ?思い出せない。名前すらも。

 何でだろう。記憶も失っていくのかな、死んだし。怖い…。



 意識が朦朧としているところに1人の女性が現れた。ふわっとしたベールに包まれている若くて綺麗な女の人だった。彼女は私を見て近づいてきた。


「可哀想に倉本紗奈くらもとさなさん。死んでしまったのね。さあくじを引いて下さいね。」


 何でこの人私の名前を知っているの?

 くじって何?


「くじって何ですか?ここ今どこなんですか?」

「ええ?知らないの?かわいそうに。くじっていうのはてんあくの花よ?」

 そこに灰色の美しい薔薇のような物が生えていた。キラキラしていて私の顔程の花だった。


「さあ。手をかざして。」

私は言われるまま手をその花の上にかざした。

いきなり煙が立ち込める。

花はどんどん白くなっていった。

そして白くなって止まった。


「おめでとう!これからあなたは天使よ。さあ、ホラルツ天使悪魔養成学校に行きなさい。制服はそこで渡すわ。」

天使?ホラルツ学校?何言ってるの。この人。


いきなり痛みが走った。知らないうちに翼が生えていたらしい。

まずホラルツ学校に行ってみなきゃな。




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