新雪に付ける足跡
kaoru
第1話
「あ、この二人組のYouTuber好きだな。」
そう凛が思ったのは真夏の日が沈みかけて涼しくなってきた頃だった。空いている時間はYouTubeを見るのが癖になっていたときにおすすめに出てきて二人を見つけた。
アイスを食べながらタブレットの中で楽しそうに話しをしている二人に興味を持った。ボケとツッコミに分かれているが、どのやりとりも優しさを感じる。何より二人がお互いのことを思いやりあっているのが見ていてとても心地いい。
まだYouTuberが世間に浸透していない時代だった。多くのYouTuberは毎日投稿をしていて、労働時間の長さに体を壊すのではないかと熱心な視聴者は心配してしまう。
そんな中、2人も毎日投稿をしていた。どの動画も内容が面白く、2人の愛嬌も感じられる暖かみのあるチャンネルだった。
凛は27歳になった頃だった。精神的に病を抱えていた凛は自宅で過ごす時間が多い。薬を飲んでテレビかYouTubeか映画を見る。鬱々としている日ほど無心で動画を見ていた。
凛の仕事はアパレル販売員だった。このころからだんだんと体と精神面の調子が整いはじめ、貯金も順調に貯まりだした。
凛は、いつかYouTuberのイベントに行ってみたいなと思いながら毎日YouTubeを見ては笑って、布団の中に体を滑らして深い眠りに着いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます